トランプ関税、任天堂「スイッチ2」の値上げを警戒 米消費者
トランプ政権の関税措置が本格化した場合、Nintendo Switch 2の価格はどこまで上がるのか。米国の消費者が警戒する中、業界アナリストたちがその行方を占った──。 Switch 2が発売されてから1カ月あまり。任天堂史上最も高価なゲーム機として450ドルの値札が付けられたが、ドナルド・トランプ大統領が導入を予告した新たな関税措置による値上げは、まだ現実になっていない。とはいえ、このまま推移する保証はどこにもない。 トランプ氏が関税導入計画を明らかにしたのは4月2日のことだった。奇しくもそれは、任天堂がSwitch 2を初めて公開した日でもある。関税のターゲットとなったのは、任天堂が本社を置く日本と、一部の製品を製造しているベトナムだ。直後にトランプ氏は日本とベトナムへの関税適用を90日間猶予すると発表したが、その期限はまもなく終了する。8月1日には、関税がいよいよ本格始動する見込みだ。 任天堂が関税の影響分をどの程度価格に反映させるのだろうか。この話はそう単純なものではない。 関税がかかった後のSwitch 2の価格は? Wedbush証券のアナリスト、マイケル・パクター氏はこう分析する。ベトナムで製造され、日本によって販売されるSwitch 2などの製品に関税が課されれば、「任天堂本社は関税負担を最小限に抑えるため、米国向けに可能な限り低い原価で製品を出荷しようとするだろう」と見ている。 パクター氏は、「価格は75〜100ドルほど上昇するのではないか。あるいはもう少し高くなる可能性もある」と続ける。この予測通りなら、Switch 2の新たな価格帯は525〜550ドルあたりになる計算だ。 Ampere Analysisの調査部門ディレクター、ピアーズ・ハーディング=ロールズ氏も、ほぼ同様の見方を示した。 「事態は非常に流動的だ。任天堂としては価格変更を避けたいところだが、もはやすべての選択肢を検討せざるを得ない状況にある」とし、「本体価格が最低でも50〜100ドルほど値上がりし、追加コストの一部を相殺する展開が現実的だろう」と語った。 一方で、「任天堂が米国市場を最重要視するならば、値上げせずに追加コストを自ら負担し、代わりにデジタルゲーム販売の収益増でその損失分をカバーする可能性もある」とのシナリオも示唆している。 DFC IntelligenceのCEO、デービッド・コール氏も似た意見を持つ。今年4月、コール氏はForbesに対し、「価格はある程度上がるだろうが、大きな値上げになるとは考えにくい。そもそも450ドルという発売価格には、関税による影響をある程度見込んだ上乗せがすでに織り込まれていると想定されるためだ」と述べている。 「任天堂が実際に値上げに踏み切る可能性はそれほど高くなく、仮に値上げしたとしても20%もの大幅な価格変更には至らないだろう」とコール氏は付け加えた。仮に20%の値上げとなれば、Switch 2の価格は約540ドルに達することになる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。