ゲームストップ急落、ビットコイン購入に絡む借り入れ計画を嫌気

Bailey Lipschultz

  • 13億ドルの転換社債発行計画を発表、30億ドルの時価総額が吹き飛ぶ
  • ゲームストップの本業は成長鈍化、事業の多角化が急務に

 米ビデオゲーム小売り、ゲームストップの株価が27日の取引で急落している。暗号資産(仮想通貨)ビットコイン購入のために借り入れを行う計画を発表したことが嫌気されている。

  同社株は午後の段階で、前日比約25%下落し、時価総額で30億ドル(約4500億円)が吹き飛んだ。これは昨年6月以来の大幅な下げ。13億ドルの転換社債を発行し、調達した資金でビットコインを購入するとの計画を発表したことに反応した。

  ビットコイン購入の原資を確保するために借り入れる計画は、暗号資産支持派として知られるストラテジーの共同創業者マイケル・セイラー氏の戦略を踏襲しているものとみられる。ゲームストップが今週ビットコイン戦略を発表すると、一時的に買いを集めていた。だが、さらに債券発行に関する詳細が明らかになると、投資家心理は急速に悪化した。

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  大規模な転換社債の発行は、一般的に短期的な売り圧力につながりやすい。こうした債券は、株価のボラティリティーを利用した裁定取引戦略を行うヘッジファンドに人気がある。この戦略を実行するために、ヘッジファンドは発行体の株式を空売りする必要があり、これが株価の下落圧力となる。

  ゲームストップの広報担当者は、コメントの要請に応じていない。

  2024年終盤には保有現金や借入金でビットコインを購入する上場企業が相次いだが、市場環境はその頃から様変わりした。ビットコインは1月の史上最高値からおよそ18%下落しており、関税を巡る不透明感や不安定な経済指標を背景に、投資家はさまざまなリスク資産から資金を引き揚げている。

  それでも、ビットコインの購入は、ゲームストップにとっては依然として魅力的な戦略だ。ビデオゲーム業界のデジタル化進展に伴い、本業の成長が鈍化しており、同社にとっては事業の多角化が喫緊の課題となっている。

転換社債発行の計画発表後にゲームストップ株価は急落

原題:GameStop Sinks on Plan to Borrow $1.3 Billion to Buy Bitcoin (2)(抜粋)

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