Google、AnthropicなどのAI企業の幹部ら1300人超が「AIの自己開発」暴走を防ぐため、政府に異例の支援を要請(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)

アンソロピック、オープンAI、メタ、グーグルの幹部らは、自身が署名した公開書簡でAI規制を求めた。具体的には、国際的なガバナンスツールの整備に対する支援をアメリカ政府に求める内容だ。そうしたツールは、一部のAI開発のペースを減速させる可能性もある。 アメリカを代表するAI企業各社の幹部らは、ついに連邦政府が「必要に応じてAI開発にブレーキをかける」方法を見出すべき時が来たと訴えた。 【全画像をみる】Google、AnthropicなどのAI企業の幹部ら1300人超が「AIの自己開発」暴走を防ぐため、政府に異例の支援を要請 オープンAI(OpenAI)、アンソロピック(Anthropic)、グーグル(Google)、メタ(Meta)など複数企業に所属する1300人超(7月31日現在)のAI関係者が署名した公開書簡には、こう記されている。 「AIが自動で自己開発する最先端の動きを意図的に制御するために必要な、技術的・ガバナンス的ツールを開発する国際的な取り組みを支援するようアメリカ政府に要請する」 署名には、アンソロピック共同創業者のジャック・クラーク(Jack Clark)氏とジャレド・カプラン(Jared Kaplan)氏、オープンAIチーフサイエンティストのヤクブ・パホツキ(Jakub Pachocki)氏、メタのチーフサイエンティストであるシェンジア・ジャオ(Shengjia Zhao)氏、そしてグーグル・ディープマインド(Google DeepMind)でAIの安全性とアライメント(人間の意図との合致)部門を率いるアンカ・ドラガン(Anca Dragan)氏らが名を連ねている。 We support this petition, signed by our CEO, several co-founders, and senior staff. Our own research on recursive self-improvement, published last month, points to the need for tools to deliberately pace the frontier of AI development so society can prepare. We’re glad to see… — Anthropic (@AnthropicAI) July 28, 2026 この書簡が焦点を当てているのは「自動化されたAI開発」、つまりAIが自らを自律的に開発できるようになる状態だ。業界ではこれを「再帰的自己改善(Recursive Self-Improvement)」と呼ぶ。アンソロピックは自社のClaudeモデルがすでにその閾値に急速に近づきつつあることを明らかにしていた。 その瞬間が到来する可能性について、公開書簡はこう警鐘を鳴らしている。 「これがAIの進歩をどの程度加速させるかを正確に予測するのは困難だ。しかし、能力開発が急速に進み、生み出されたシステムが、人間が理解して制御できる範囲を超えてしまうという現実的なリスクが存在する」 元オープンAI最高技術責任者(CTO)のミラ・ムラティ(Mira Murati)氏が設立したスタートアップ、シンキング・マシーンズ(Thinking Machines)でチーフサイエンティストを務めるジョン・シュルマン(John Schulman)氏は、この問題に注目を集めるために署名したと述べる。 「自動化されたAIの研究の進歩に拍車がかかるなか、協調メカニズムが必要になり得るという共通認識を確立するために、この声明が役立つと考え署名した」 シュルマン氏は、書簡の発起人が公開したコメントの中でそう明かした。 さらに、「アメリカ政府(USG:US governmentの略)が関与するより前から、各ラボ(AI企業)が自主的にこうしたメカニズムの設計に着手する姿も見てみたい」との見解も示した。 この書簡は、業界内で規制を求める声がいかに一つの方向にまとまりつつあるかを物語っている。 ここ数週間の間に、アンソロピックのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEO、オープンAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEO、グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)CEOがそれぞれ、世界的なAI規制に向けたさまざまな枠組みを提案していた。 AI規制をめぐる議論は、オープンAIのモデルが隔離されていたはずのサンドボックス(テスト環境)から抜け出し、オープンソース型プラットフォームを手掛けるハギングフェイス(Hugging Face)のシステムに不正アクセスした事件によって、いよいよ臨界点に達しつつある。アルトマン氏はこの一件を「いま起きていることの重大さを改めて思い知らされる出来事だ」と表現した。 トランプ政権はこれまで、規制に対して緩やかな姿勢を示してきた。しかし、最先端AIモデルの驚異的な性能が、政府関係者や企業幹部を不安にさせるにつれ、そのスタンスを維持することが次第に難しくなっている。 実際、ホワイトハウスは輸出規制を発動し、アンソロピックが一般公開する最も高性能なモデル「Fable 5」のリリースを一時的に制限した。さらにその後、オープンAIに対しても、同社最新モデル「GPT-5.6」のリリースを延期するよう求めている。

Brent D. Griffiths

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