韓国・左派系最大野党の李在明前代表が大統領選出馬を正式表明…反日から軌道修正か、現実主義強調
【ソウル=小池和樹】韓国の左派系最大野党「共に民主党」の 李在明(イジェミョン) 前代表は10日、 尹錫悦(ユンソンニョル) 前大統領の 罷免(ひめん) に伴う6月3日の大統領選への出馬を正式に表明した。李氏は、日米との連携を重視する外交などの現実主義的な政策を強調した。
大統領選出馬を表明する李在明氏=李氏陣営提供の映像から李氏は事前収録した約10分の映像の中で「本物の大韓民国を作るため、私が最高の道具になる」と、大統領選出馬を宣言した。国民生活を「最も重要な問題」と位置づけ、新興企業や先端科学技術への大規模投資による経済発展を訴えた。有効な政策を柔軟に取り入れる「実用主義」をアピールした。
一方で、格差が大きくなっていると強調し、「社会に対する評価は、弱者への関心と支援の程度で決まる」とも語った。持論である「分配重視」の政策にこだわりも見せた。
外交安保政策では現実路線を打ち出した。「現実的に見れば、韓米同盟、韓米日協力は非常に重要だ」とした上で、「原則は国益最優先。それで判断すればよい」と述べた。李氏はこれまで反米、反日的な言動を繰り返してきたが、こうした左派色を嫌う若者や無党派層を意識し、軌道修正を図ったとみられる。日韓の2国間関係への言及はなかった。
李氏は、次期大統領候補で支持率トップを独走しており、11日には具体的な政策を発表するという。共に民主党は予備選で正式に候補を決めるが、選挙戦は李氏を中心に進む可能性が高い。党内では、李氏と距離がある 金斗官(キムドゥグァン) 元 慶尚南道(キョンサンナムド) 知事、 金東兗(キムドンヨン)京畿道(キョンギド) 知事が出馬を表明している。