「新入社員歓迎会BBQなのに新卒社員がゼロ」これが令和? もはや飲みニケーションは旧石器時代の遺物なのか
新入社員歓迎のために企画したBBQ、参加するのは先輩社員だけ――。
そんなエピソードがSNSで話題になっています。
投稿者は「BBQだからみんな来ると思ってた」「今までの子たちは全員来てた」と驚いた様子でした。
かつては当たり前のように行われてきた休日の社内イベント。しかし、「休日はプライベート」「参加は任意と言いつつ断りづらい」といった声も広がり、令和の若手社員の価値観は大きく変化しています。
社内のコミュニケーションは大事ですが、先輩社員が新入社員に休日にバーベキューなどのイベントへの参加を呼びかけることに、法的なリスクはないのでしょうか。西口竜司弁護士が解説します。
●「実質的な強制」に法的リスク
新入社員の歓迎会を企画する際、「任意参加」が実質的な「強制」とみなされることで法的リスクが生じ得ます。それは、不参加によって人事評価に影響することを示唆したり、強く参加を促したりして、「業務命令」と評価されるような場合です。
実質的な強制力(指揮命令下の拘束)があると判断されると、その時間は「労働時間」とみなされます。この場合、休日出勤手当(割増賃金)の支払いが必要となり、賃金の未払いがあれば労働基準法違反となり得ます。
また、業務として参加している間にけがをした場合や、無理な飲酒で体調を崩した場合には、安全配慮義務違反が問われ、労災認定や損害賠償責任を負う可能性もあります。
●令和時代に必要な「新歓」の注意点
「令和の価値観」では、プライベートの時間を過度に侵害すること自体が、パワーハラスメントと受け止められる可能性があります。参加拒否を理由とした不利益な扱いは厳禁です。
ただ、先輩社員が新入社員を歓迎したいという気持ちも理解できます。新歓を企画する際、トラブルを避けるために、いくつか注意しておきたい点があります。
まず、「業務外」であることを明確にし、「不参加でも査定に一切影響しない」旨をはっきり伝えること。そして、欠席理由を問いたださない雰囲気づくりも大切です。
そもそも、若手社員にとって「休日の拘束」は心理的ハードルが非常に高いものです。平日の昼休みや終業前後の時間帯に組み込むなど、プライベートを侵食しない気配りも有効でしょう。
●「自分たちの時代の当たり前」を押しつけない
さらに、「自分たちの時代の当たり前」を押しつけるのではなく、新入社員が「何に困っているか」を軸にしたフラットな交流の場を設計することが、真のコミュニケーション(飲みニケーションの代替)につながります。
いずれにせよ無理は禁物です。新入社員が参加しやすいよう工夫をしていくことが大切ですね。
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