ブラピVSトム・クルーズの“リアルすぎる”AI動画が物議――「もう終わり」と『デッドプール』脚本家、映画スタジオは非難の声明

ブラッド・ピットとトム・クルーズが殴り合う超リアルなAI動画を見ただろうか? この動画を生成したのは、TikTokの運営で知られるByteDanceが公開する動画生成AI「Seedance 2.0」だ。これに対し、米国の大手映画スタジオが異議を唱えた。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、Netflix Studios、パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション、ユニバーサル・シティ・スタジオ、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ、Prime Video & Amazon MGM Studiosが構成するMPAはBBCに対し、「たった1日のうちに、中国のAIサービスSeedance 2.0が米国の著作物を大規模に不正使用したのです」と語っている。

I hate to say it. It’s likely over for us. https://t.co/248PmWnEgr — Rhett Reese (@RhettReese) February 11, 2026

Forbesによると、Seedance 2.0は「人間の監督を模倣してクリエイティブ面を制御」し、複雑な制作ツールなしにユーザーがハイエンドな作品を作成することができるという。ByteDanceも、「極めてリアルな没入感のある体験」を生み出すことができるプログラムだと宣伝していた。

当然、こうした動画が拡散されることに対し、映画業界関係者は感心していない。「デッドプール」シリーズなどの脚本を務めたレット・リースは「言いたくはないが、僕たちはもう終わりだな」と反応している。リースはその後、芸術分野でAIが大きく推進されていることに対し、多くのクリエイターが彼のように「恐怖」を覚える理由について語り、自身の姿勢を示した。

「僕が親しくする大勢の人たちが、自分の愛する仕事を失う危機に直面してる。僕自身もそうだ」とリースは述べている。「“終わり”っていうのは、軽い気持ちや投げやりな意味で言ったわけじゃない。ピットVSクルーズの動画を見て驚いたのは、プロの仕事みたいだったから。だから怖いんだ。悲観的に言えば、ハリウッドは革命を起こされて衰退させられようとしてる。ピットVSクルーズの動画を見てクオリティが低いと思った人は、何も心配ない。でも、僕は動揺してる」

とはいえ、ByteDanceは著作権侵害を回避する措置をすでに講じたと主張している。BBCによれば、「実在する人物の画像をアップロードする機能は停止済み」とのことで、「知的財産権と著作権保護を尊重する」という。トム・クルーズとブラッド・ピットの動画に関しては、「言及されたコンテンツは、ローンチ前の限定的なテスト段階の一環として作成されたもの」だと主張している。

「さらなるリスクへの対応を進めております」とByteDanceは締めくくっている。「強力なポリシー、監視システムおよびプロセスを導入し、現地の法令を遵守いたします」

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