NASA探査機が衝突した「小惑星の破片」が地球に初の「人工流星群」をもたらす可能性(スペースチャンネル)

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地球に接近する小惑星のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

3年前、NASAの探査機が小惑星に衝突した影響で、数百万もの微細な宇宙のかけらが地球や火星に向かって飛んでいる可能性があることが、新たな研究で示されました。これらの破片は地球上の生命に危険を及ぼすことはありませんが、史上初の「人類が生み出した流星群」を引き起こすかもしれません。

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DARTミッションの衝突実験

DARTミッション 出典:NASA

2022年9月、NASAの探査機「DART」は、地球から約1100万キロメートル離れた小惑星ディモルフォスに時速約2万4000kmで意図的に衝突しました。このミッションは、将来地球に衝突の恐れがある小惑星を軌道変更できるかを試す、史上初の惑星防衛実験です。

このミッションは大成功を収め、ディモルフォスの軌道が約30分短縮されただけでなく、衝突の衝撃で大量の破片が宇宙空間に放出されたことも明らかになりました。中には火星に向かう大型の岩石もあると考えられていますが、これらの岩石が地球へ衝突することは今のところ予想されていません。

微細な破片が「光のショー」に?

DARTの衝突閃光 出典:NASA/ESA

今回の新研究では、さらに微細な破片(直径約30μm~10cm)に焦点が当てられました。研究チームは、欧州宇宙機関(ESA)のLICIACube探査機が収集したデータをNASAのスーパーコンピューターを用いて、約300万個の破片の軌道と速度をシミュレーションしました。

その結果、これらの破片の多くが、今後地球や火星の近傍に到達する可能性が高いことが判明したのです。破片自体は非常に小さく、地球に衝突しても大気中で燃え尽きるため、危険性は全くないとのことです。一方、その小さなサイズと高速のため、大気圏で美しい光の筋となって消えていくことが予想されています。

初の「人工流星群」に?

流星のイメージ 出典:Ame Danielsen

小さな破片は最短で今後7年以内に地球へ到達する可能性がありますが、サイズが微小なため肉眼で確認するのは難しいとされています。一方で、より大きな破片は30年以上先になる可能性があり、大気圏で燃えながら「流星」として観測できるかもしれません。

今回の研究は、NASAのDARTミッションが宇宙防衛の技術検証として成功しただけでなく、人類が宇宙空間に新たな天体現象を生み出す可能性があることを示しています。「人類史上初の人工流星群」が夜空を彩る日が来るとしたら、一体どんな光景が広がっていると思いますか?ぜひ皆さんのコメントお待ちしています。

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