グリーンランドにおける米国のプレゼンス拡大を容認-デンマーク首相

Sanne Wass

グリーンランド北部のピツフィク米宇宙軍基地 Photographer: Thomas Traasdahl/AFP/Getty Images

デンマークは自治領グリーンランドにおける米国のプレゼンス拡大を容認する意向だと、フレデリクセン首相が述べた。

  同首相は3日、ブリュッセルでの欧州連合(EU)首脳会合を前に記者団に対し、グリーンランドには宇宙を監視し、ミサイルの脅威を検知する米軍基地が既に存在しており、米国には「さらに多くの可能性がある」と語った。

  フレデリクセン首相は「防衛や安全保障、抑止力について語る際、北極圏である高緯度地域がますます重要になっているとの米国の見解に完全に賛同する。グリーンランドでのプレゼンス強化の方法を見いだすことは可能だ」と述べ、デンマークと北大西洋条約機構(NATO)の両方がこの地域での拡大に前向きであると続けた。

  ただ、グリーンランドはデンマークの一部であり、「売り物ではない」と改めて表明した。

  トランプ米大統領が安全保障上の理由からグリーンランドの占有を望んでおり、両国政府は対立している。

  グリーンランドはデンマーク王国の自治領であり、自治政府が領内のほとんどの問題に対応している。鉱物資源が豊富なグリーンランドにおける防衛および安全保障政策を担うデンマーク政府は、防衛強化のために146億クローネ(約3100億円)を投入している。

  フレデリクセン首相はデンマーク人記者団に対し、バンス米副大統領がデンマークは同盟国としてふさわしくないと発言したことに反論。「何十年にもわたって米国と肩を並べて戦ってきた」と述べ、「デンマークは同盟国としてふさわしくないという考えは受け入れられない」と語った。

原題:Denmark Says Open to Expanding US Military’s Role in Greenland(抜粋)

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