今年の台風の動きがおかしい理由〜気象予報士増田さんに聞く
今月もこのメンバーがお天気についてやいのやいのいいます!
林: 8月11日に台風が茨城から上陸しました。
台風は南や西からやってくるけど、東から来た
(今回の図は増田さんの話を元にDPZ林が書いています。増田さんチェック済みです)
林: ニュースで見たのですが、原因のひとつは太平洋の北のほうに高気圧があったからなんですよね。
高気圧からは時計回りに風が吹く
増田: はい、ありましたね
林:
そのあとの台風がどんどん東から来ていたので日本の南に台風が嫌がるものがあるのかなと思っていました。増田:
嫌なものというよりも、モンスーンジャイアの大きなベルトコンベアに流されてた状態ですね。西村:
モンスーンジャイア!名前がかっこよすぎますね。どんどん広域の地図になります
増田: この8月のいちばんの主役はこのモンスーンジャイアです。ばかでかいです。モンスーンっていうのが季節風、ジャイアというのが渦巻なので、季節風による渦巻きという意味です。 林: モンスーンって西から来る風ですよね。
増田:
南アジアとか東南アジアの方からバーっと吹く風です。西から吹いているのが、だんだんぐるっと渦を巻いて、うずまきができちゃった。くるんってなって
渦巻きの完成である
林: ふつうは渦巻かないんですか?
増田:
巻かないです。普通は、ここに何がいるかっていうと東西に数千キロもあるような太平洋高気圧がいるので。ここって真夏は雲があまりできないはずなんですよね。太平洋高気圧の中はあまり風が吹いていないんですよ。こういう変な渦巻きとかもできないわけですよね。
本来の姿
増田: ただ今年は、この主役の太平洋高気圧が弱いというか、いつものとこにいない。
高気圧が変なところにいる
増田: 高気圧がここにいた。そうすると、時計回りの風があるのでモンスーンは跳ね返されて巻き始めるわけです。
高気圧に跳ね返されたモンスーンが渦を巻きはじめた
西村: 台風がこの間に入ったら自動的に西に行っちゃう
増田:
ベルトコンベアで運ばれますって感じで。モンスーンジャイアは低気圧性で南の海はそれなりに熱いから、雲がポコポコ沸きやすいところなんですよね。風が巻いてる中でクルリンって渦が巻き始めた→熱帯低気圧ができちゃった、となる。
台風ができやすい環境
西村: だから今年は台風ができやすかった。
林:
台風ができる要素が完璧ですね増田:
そうです。だからモンスーンジャイアができると、台風がちょこちょこできちゃったりするし、そしてベルトコンベア。林:
作っては流し作っては流し西村:
いま何号までですか?増田:
いま24号で、8月だけで10個発生して月間では最多タイ記録です。西村:
数は多くても強くないような…増田: 数が多いということはエネルギーと雲の取り合いになるんですよね。台風は海水をかき混ぜて海水温を下げるので次のは発達しにくくなっていくんです。
わたあめの機械を独り占めしたら、すごく大きなわたあめになりますけれども、それができない状況。はいどうぞ、はいどうぞって小さいのを渡している。
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林: この話って千葉の豪雨にも関係しますか?
増田:
8月11日に台風15号が茨城に上陸して西へ進みました。勢力自体はそんなに強くなかったです。ただ熱帯から来たので湿った空気を引き連れてきた。大量の水蒸気のルートをある意味作っちゃったわけです。見えない川みたいなルートを作った
見えない川(暖かく湿った空気なのでピンクで表しています)
西村: 台風行ったからといって安心できない
林:
見えない水蒸気の川ができて、何もなかったら良かった増田:
透明の川がスルーするだけなら蒸し暑いねぐらいだったんですけど、8月13日に千葉で冷たい空気とぶつかって局地的な前線ができたんです。関東に冷たい空気がたまっていた
増田: 水蒸気が冷たい空気の上に乗り上げて上昇気流が起きた。 なぜ夏なのに冷たい空気があったかというと、雨が降ってたんですね。
そんな強くないけれども、さすがに雨が降ると8月でも、ちょっとは周りより空気が冷える。冷えるって言っても差は5℃とか10℃とかないですよ。ほんと、ちょっとした気温差です。
林: それほど強い雨じゃないじゃないですよね増田:
じゃないです。ただ関東平野は大きいので冷たい空気がうっすらだけど溜まりやすくなるんですね。冷たいというと語弊があるような涼しい空気が地上付近に薄く溜まっていて、実はこのとき北風だったんですよね。そこに向かって、熱帯のあつい空気が流れ込んできたことによって、冷たい空気の上に乗り上げてずっとジャンプし続けた。上昇気流が起こり続けた。
熱い空気が冷たい空気に乗り上げて積乱雲になった
西村: で、線状降水帯になった
林: 山もないのになんで線状降水帯ができたんだろうって思いました
増田:
冷たい空気がある意味、山とか丘の代わりをしたわけですね。 山っていうほど高くないです。ちょっとした丘陵地帯の役割をして、そこに向かって湿った空気が来て、ずっと上昇気流になった。こんなに薄っぺらい冷たい空気、地上付近の本当のわずかな気温の差なので、コンピューターはやっぱり予想できないですね。
林: 見えない川という水蒸気の流れは普段もあるんですよね。増田:
普段もあります。当然この流れ込みは予想できてたんですよ。このときは確か関東の山のところは強く降るかもね、という予測はありました林:
それはわかる増田:
それはコンピューターも予想できてたけれども、本当にこんな薄っぺらい、丘ぐらいの冷気で上昇気流が起こる場所は前もって予想できないですね。 僕が伝えていた朝の天気予報なんて全くノーマークですし、お昼の天気予報もノーマークですし、夕方の天気予報も最初はノーマークだったと思います。夕方の途中ぐらいからまずいってなってきて、わかったのは本当直前ですよね。
増田: 我々もどこかのタイミングで予測できてたんじゃないかといろんなデータを振り返るんですけど、日本の気象庁もそうだし、海外のものもそうですけど、これはやっぱり予測できてなかったですね。
林:
これってコンピュータにパターンを学習させれば解決しますかね増田:
パターンを学習させていく一方、観測も大事で、今回のパターンがこれまでのパターンと似てるかどうかは、観測の数が少ないとわからない。 水蒸気の流れ込みが多いんだろうなというのは分かるけれども、どれぐらいかがわかったほうが過去とのパターンと比べられるので、観測も大事。林:
そうか。スマホで町の状況をレポートする人が増えると解決しますか増田:
海はどうしましょう。林:
無理だ増田:
海からやってくる水蒸気の量が大事なので、気象庁も観測船を配置したりするんですが今は九州の西などからですね東京は涼しかった、九州は暑かった
林: 先月の天気の話を少しだけ。東京は涼しかったですね
増田:
今年、東京は8月は35℃以上の日が3日だけしかありませんでした。去年は8月だけで確か18日ありました。気象庁ホームページ掲載のグラフに加筆
増田: 今年、福岡は8月だけで35℃以上が19日です。 大分県の日田がすごかったですね。8月の31日のうち、28日が35℃以上。
林: 東京が涼しかったのは、オホーツクなのか太平洋高気圧かわからないけれども、高気圧が北にあったからですか?
2026年に多かったパターン
増田: 南からバーンと太平洋高気圧が張り出していると、もっと全体的に暑くなるんですけれども、今回はエルニーニョの遠い影響もあって高気圧が南から張り出すパターンではなかった。 そして、ときどきオホーツク海高気圧も現れたので、北風が入るパターンがあった。
林:
ボスがいないから、オホーツク海高気圧とか、モンスーンジャイアとか、あまり見ない人たちが来ちゃった。増田:
高気圧がいないから、関東は雨が多かったんですよね。雨が降ると冷えるので、1回リセットされて高温が出にくくなる。林:
暑くないといろんな予想外なことが起きるんですね。西村:
主人公だけの話じゃなくて、なんかいろんな人があつまる群像劇になった 林: 強い横綱がいなくて4人で優勝決定戦やってる場所みたいですね。8月の問題・結果発表
正解・40.8℃ 高知県
林: 結局8月2日に記録した40.8℃を超える日はありませんでした。
増田:
正解者は多数になりましたね。おめでとうございます!希望を込めて願いを込めてっていう方が3人ぐらいいますね。願望つよし。
🏅よこぽん
もうこれ以上暑くなってほしくないという願いを込めて 🏅すえよし そろそろ夏も折り返しのはず、さすがにもうこれ以上は勘弁して欲しいという希望も込めて。 🏅ngy2010 さすがにもうこれ以上は出ないと思います🏅ぷりんぐみん
8/5の江川崎の最高気温を更新しないと思います。🏅桜木
オホーツク高気圧が出張ってる影響で今月は太平洋高気圧がそんなに猛威を振るわないかなという希望を込めて変わらないと予想。 🏅マンゴープリン これ以上暑くならないで欲しいです 🏅メロポン 今年は太平洋高気圧の勢力が、いつもに比べて弱そうです。逆にオホーツク海高気圧の勢力は強そうです。偏西風も北の方を通過しており、日本列島全体が気圧の低い部分にあるような気がします。カンカン照りの日は少なく、雲の多い天気になると予想しました。そのため、8月2日に高知県江川崎で記録した40.8℃が最高気温になるのではないでしょうか?酷暑日はもう終わりになってほしいものです。9月の問題
東京の最低気温を当ててください。(小数点以下1位まで) 回答はこちらから(2026年9月11日23時59分締め切り)
増田: まず9月5日~6日は20℃を切ります。9月上旬で20度℃を切るのは比較的スムーズな季節の変化というか、夏が粘りすぎてないのはヒントになるかもしれないですね。 ここ数年の9月の最低気温は 2025年 17.9℃ 2024年 17.7℃ 2023年 18.5℃
林:
9月ってどんなキャラが出てくるんですか。秋雨前線ですか増田:
今もう出てきてますね。夏の太平洋高気圧が9月になって強まってくることもあります。8月が弱かったので、ここに来てっていう可能性もありますよね。 台風が北へと本州突っ切る、もしくは九州の西を北上して日本海に入るようなコースになると、一気に熱い空気を持ってきて高温が出る、そんなこともありえますね。林:
過去の冷夏の年と同じにすればいいのかも増田:
2021年は35℃以上が8月は2回しかなかったです。その年の9月の最低気温は16.8℃。小林:
コロナ禍だったから何も覚えていない林:
では今年は16.8℃にします西村:
17℃ぐらいじゃないかな。17.1℃とか9月の気温は当てたい
(次回は10月上旬です。9月は涼しいままか、太平洋高気圧の復活があるのか! )
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今月もこのメンバーがお天気についてやいのやいのいいます!
林: 8月11日に台風が茨城から上陸しました。
台風は南や西からやってくるけど、東から来た
(今回の図は増田さんの話を元にDPZ林が書いています。増田さんチェック済みです)
林: ニュースで見たのですが、原因のひとつは太平洋の北のほうに高気圧があったからなんですよね。
高気圧からは時計回りに風が吹く
増田: はい、ありましたね
林:
そのあとの台風がどんどん東から来ていたので日本の南に台風が嫌がるものがあるのかなと思っていました。増田:
嫌なものというよりも、モンスーンジャイアの大きなベルトコンベアに流されてた状態ですね。西村:
モンスーンジャイア!名前がかっこよすぎますね。どんどん広域の地図になります
増田: この8月のいちばんの主役はこのモンスーンジャイアです。ばかでかいです。モンスーンっていうのが季節風、ジャイアというのが渦巻なので、季節風による渦巻きという意味です。 林: モンスーンって西から来る風ですよね。
増田:
南アジアとか東南アジアの方からバーっと吹く風です。西から吹いているのが、だんだんぐるっと渦を巻いて、うずまきができちゃった。くるんってなって
渦巻きの完成である
林: ふつうは渦巻かないんですか?
増田:
巻かないです。普通は、ここに何がいるかっていうと東西に数千キロもあるような太平洋高気圧がいるので。ここって真夏は雲があまりできないはずなんですよね。太平洋高気圧の中はあまり風が吹いていないんですよ。こういう変な渦巻きとかもできないわけですよね。
本来の姿
増田: ただ今年は、この主役の太平洋高気圧が弱いというか、いつものとこにいない。
高気圧が変なところにいる
増田: 高気圧がここにいた。そうすると、時計回りの風があるのでモンスーンは跳ね返されて巻き始めるわけです。
高気圧に跳ね返されたモンスーンが渦を巻きはじめた
西村: 台風がこの間に入ったら自動的に西に行っちゃう
増田:
ベルトコンベアで運ばれますって感じで。モンスーンジャイアは低気圧性で南の海はそれなりに熱いから、雲がポコポコ沸きやすいところなんですよね。風が巻いてる中でクルリンって渦が巻き始めた→熱帯低気圧ができちゃった、となる。
台風ができやすい環境
西村: だから今年は台風ができやすかった。
林:
台風ができる要素が完璧ですね増田:
そうです。だからモンスーンジャイアができると、台風がちょこちょこできちゃったりするし、そしてベルトコンベア。林:
作っては流し作っては流し西村:
いま何号までですか?増田:
いま24号で、8月だけで10個発生して月間では最多タイ記録です。西村:
数は多くても強くないような…増田: 数が多いということはエネルギーと雲の取り合いになるんですよね。台風は海水をかき混ぜて海水温を下げるので次のは発達しにくくなっていくんです。
わたあめの機械を独り占めしたら、すごく大きなわたあめになりますけれども、それができない状況。はいどうぞ、はいどうぞって小さいのを渡している。