ビットコインの急落で5億ドルのロングポジションが清算──DOGEとADAは7%下落(CoinDesk JAPAN)

5月12日の夜、暗号資産(仮想通貨)市場で急激な下落が発生し、5億ドル(約750億円、1ドル=150円換算)を超えるロングポジションの清算が発生した。ビットコイン(BTC)は週末の高値から下落し、米中貿易摩擦の緩和を受けてトレーダーが反応したこともあり、それ以前の利益が消えてしまった。 Coinglassのデータによると、過去24時間で5億3000万ドル(約795億円)を超えるロングポジションが清算され、そのうち2億ドル(約300億円)近くがビットコインに連動する先物から、1億7000万ドル(約255億円)がイーサリアム(ETH)関連商品から発生した。 清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。 主要な暗号資産が下落の矢面に立たされ、ドージコイン(DOGE)とカルダノ(ADA)はそれぞれ最大7%、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)は5〜6%下落した。 この清算は、ETHが40%上昇し、主要アルトコインもショートスクイズの波で2桁の伸びを記録した先週の熱狂的な上昇を見せた後に起こった。この上昇では10億ドル(約1500億円)以上のショート清算が発生し、2021年以来の最高額を記録した。その勢いが衰えるまでに、ビットコインは一時10万4000ドルを突破した。 その後、12日のアメリカ取引時間中に、アメリカと中国が一時的な貿易戦争の休戦、つまり複数の相互関税の撤廃、および貿易協力の再開を約束したとの報道があり、市場は下落に転じた。 緊張の緩和は株式市場を支えたが、この動きは先週の暗号資産の急騰を後押ししたリスクオンのムードを一気に冷やす要因となった可能性がある。 Coinglassのデータによると、主要オプション取引所の先物建玉も12億ドル(約1800億円)以上減少し、ロングポジションの投資家がポジションの清算を余儀なくされたことで、急激なレバレッジの解消が進んだことを示している。 アナリストたちは、6月のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の次回会合を注視しつつ、短期的な調整は過熱したセンチメントをリセットする可能性があると警告している。 暗号通貨取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに対し、「現在、マクロ経済への懸念が市場を動かしており、6月のFRBの金利決定と見通しの発言が、ビットコインが最高値を更新するかどうかを決定する重要な要因となるだろう」と述べた。 「そうなれば、アメリカ経済への融資と投資が刺激され、投資家が懸念する景気後退を回避し、成長が促進されるだろう」とメイ氏は付け加えた。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Drop Causes $500M Long Liquidations as Dogecoin, ADA Slide 7%

CoinDesk Japan 編集部

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