宇宙に実在する巨大すぎる天体4選(宇宙ヤバイchキャベチ)
どうも、宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「宇宙に実在する巨大すぎる天体4選」というテーマで、太陽系サイズから宇宙規模へとスケールを連続的に広げながら、その大きさを実感できる順で見ていきます。
最大級の恒星:スティーブンソン2-18
Credit:ESO/M. Kornmesserたて座方向およそ1万9千光年の位置にある赤色超巨星で、現在知られる最大級の恒星候補です。
代表的な見積もりでは半径が太陽の約2,150倍で、直径は約20天文単位に達します。
もし太陽の位置に置くと、光球は土星の公転軌道を超える大きさになります。
距離や減光の扱いによって誤差はあるものの、恒星サイズの上限付近にいる天体と考えられます。
超巨大ブラックホール:TON 618
Credit:ESA/Hubble, ESO, M. Kornmesserクエーサー TON 618 の中心にあるブラックホールは、推定質量が太陽の約660億倍とされる代表的な超巨大例です。
事象の地平面(シュバルツシルト半径)は約1,300天文単位=約0.02光年に相当し、直径では約0.04光年です。
これは太陽から海王星までの距離(約30天文単位)の40倍超にあたり、太陽系の惑星軌道がすっぽり収まるスケールになります。
超巨大銀河:IC 1101
Credit:NASA/ESA Hubble(Public Domain)次は銀河スケールです。
天の川銀河の直径は約10万光年ですが、Abell 2029 銀河団の中心にあるIC 1101は、一般的な銀河の大きさの測定基準で測るとおよそ40万〜55万光年の直径と見積もられます。
しばしば「直径600万光年」とする記述が流布しますが、一次資料で裏取りできず過大評価とみなされます。
宇宙最大級の長さをもつ構造:ポルピュリオン
実写 Credit: LOFAR Collaboration / Martijn Oei (Caltech)想像図 Credit: E. Wernquist / D. Nelson (IllustrisTNG Collaboration) / M. Oei最後は天体そのものではなく、ブラックホールが放つジェットの規模で見た超巨大構造です。
LOFARなどの観測により、研究チームはポルピュリオン(Porphyrion)と名づけた全長約2,300万光年におよぶ一対のジェットを報告しました。
母銀河は地球から約75億光年の距離にあり、宇宙年齢が現在より若い時代に形成されたとされます。
単一のブラックホール活動が、銀河団や宇宙の大規模構造に匹敵するスケールへエネルギーと物質を及ぼし得ることを示す、記録的な事例です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Stephenson_2_DFK_1
https://en.wikipedia.org/wiki/TON_618
https://public.nrao.edu/ask/what-is-the-size-of-the-giant-galaxy-ic1101/
YouTubeで登録者数29万人「宇宙ヤバイch」で最新ニュースなどを解説しています。/23歳で北海道大学経済学部に入学→29歳で卒業/書籍「宇宙ヤバイ スケール桁違いの天文学」好評発売中/北海道札幌市でキャベチによる生解説が聞けるバー「宇宙ヤbar」営業中/好きな天体は海王星とブラックホール!