豪政府、AUKUS見直しで米国と緊密に協力へ
6月12日、オーストラリアのマールズ国防相は、トランプ米政権が英国・豪州との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の正式な見直しを行う間、米国と緊密に協力する方針を示した。写真は、ヘグセス国防長官(右)と会談するマールズ国防相(左)。2月7日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/ Nathan Howard)
[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリアのマールズ国防相は12日、トランプ米政権が英国・豪州との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の正式な見直しを行う間、米国と緊密に協力する方針を示した。
豪公共放送ABCとのラジオインタビューで、AUKUSは3カ国の戦略的利益にかなうものと述べる一方、バイデン前米政権下の2021年に署名された協定の見直しは驚きではないと述べた。
さらに、「これは数十年にわたる計画。政権は次々と交代するが、新たな政権が誕生するたびに、こうした見直しが行われるだろう」と語った。
オーストラリアは23年、原子力潜水艦の取得と建造に向け、AUKUSに30年間で3680億豪ドル(2393億米ドル)を投じると表明した。
アルバニージー首相は来週、カナダで開催される主要7カ国(G7)会議の合間にトランプ大統領と初めて会談する見通しで、米国がオーストラリアに求めている国防費の国内総生産(GDP)比2%から3.5%への増額や関税について協議するとみられる。
アルバニージー氏は国防費を2.3%に引き上げる考えを示しており、能力に応じたニーズを重視するとして米国からの要求を拒否している。
ワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所のオーストラリア人インド太平洋専門家、ジョン・リー氏は、国防総省の見直しは「主に米国の能力に関する監査」で、自国の生産目標が達成できていない中で最大5隻の原子力潜水艦を売却する余裕があるかどうかの調査だと指摘。
「オーストラリアの国防費が低く、台湾有事にどのように貢献するのかが曖昧なことも一因だ」と述べた。
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