「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある穴」に腕を突っ込んだ男性の「恥ずかしすぎる映像」がSNSで拡散(ニューズウィーク日本版)
あるカップルの博物館デートの様子がTikTokで話題となり、再生回数は340万回を超えている。 【動画】「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある穴」に腕を突っ込んだ男性の「恥ずかしすぎる映像」 動画を投稿したのはエイミー・ブレイジさん(@amyblazi)。米テネシー州ピジョンフォージにある「タイタニック博物館(Titanic Museum)」で、彼女のパートナーであるチェイスさんが展示の一部だと勘違いして「ある穴」に腕を突っ込む様子が映っている。 博物館の公式サイトによると、来館者は「マイナス2℃の水に触れる体験」ができると記されている。チェイスさんはその体験が目の前の穴(正体はゴミ箱)の中にあると思い込み、腕を突っ込んだが、水はなく、すぐに手を引き抜いて「ゴミみたいな感触だった」と語った。 ブレイジさんは本誌に対し、「彼の反応を先に撮ろうと思って、私の番は後回しにしたんだけれど、ほんとに撮っておいてよかった!」と語っている。 しかし、彼だけが恥ずかしい間違いをしてしまったわけではなかった。コメント欄には「同じことをした」という声が多数寄せられている。 「うちの夫もまったく同じことをやった!!!!」 「私もやった。水を拭くためのペーパータオルが入っていると思って」 「で、実際に水に触れた人いる? それともみんなゴミだけ?」 「子供の頃にあの水に触れた体験は、どんな歴史の授業よりも印象に残ってる」とのコメントも寄せられた。
ブリタニカ百科事典によれば、1912年4月14日から15日の夜、タイタニック号は北大西洋の氷のように冷たい海に沈んだ。この海難事故で約1500人が命を落としたが、その多くは溺死ではなく低体温症が原因だった。 海水の温度は摂氏マイナス2度前後で、水の凍結点を下回っていた。このような極寒の環境では、人間の身体は数分以内に機能を失いはじめる。 現在もタイタニック号の記憶は、今回のカップルが訪れた博物館のような施設や、科学的・教育的な知見を提供する研究調査を通じて受け継がれている。 タイタニック号の探査は、極めて複雑かつ高額なプロジェクトだ。1987年から2024年にかけて実施されたミッションは、通常2〜6週間にわたり、約20回の潜水調査が行われた。 残骸は水深1万2500フィート(約3800メートル)に沈んでおり、潜水艇での往復にはそれぞれ2〜3時間を要する。また、カナダ・ニューファンドランド州セントジョンズからの航海には約36時間かかる。悪天候や技術的なトラブルが発生すれば、数日単位でスケジュールが遅れることもある。 1日の運用コストは約10万ドルに達し、チームは安全かつ効率的に作業を進めることが求められる。こうした深海では、機材の回収や緊急対応が非常に困難で、時間との戦いになる。 一般の人々にとっては、博物館こそが沈没事故について学び、事故発生時の海の冷たさを体感できる場となっている。もっとも、チェイスさんにとっては「それ」がゴミ箱だったわけだが。
ルーシー・ノタラントニオ