“従業員を殴る蹴る”動画がSNSで拡散 建設会社の社長ら書類送検 札幌市

札幌市西区の建設会社の社長が、従業員に対し暴力をふるう動画が拡散されていた問題で、警察は社長ら2人を傷害の疑いで書類送検しました。   ◇今年3月、札幌市の建設会社「花井組」の社員寮にある防犯カメラに残された映像に映っていたのは…。当時従業員だった20代の男性が、暴行を受けている様子でした。50代の役員の男が、男性を後ろから押さえつけます。そして60代の社長の男が、殴る蹴るの暴行を加えます。

この2人は16日、傷害の疑いで書類送検されました。

捜査関係者によると今年3月、男2人は社員寮で当時従業員だった20代の男性を羽交い締めにして、殴る蹴るなどの暴行を加え、首や膝に重傷を負わせた疑いが持たれています。被害を受けた男性によると、左耳の難聴・膝や股関節などの全治1か月以上のけがをしたほか、抑うつ状態になったといいます。元従業員の別の男性は、会社内の実態についてこう証言します。元従業員の男性「完全にワンマンで社長のいうことは絶対で、部長が仕事でミスした時にバリカンで丸刈りにされてた」

さらに会社には独自のルールがあったといいます。

会社のグループLINEのやりとりによると、朝起きたら必ず社長にメッセージを送ることになっていたといいます。社長が怒った時には、激しく罵倒する言葉が送られてきていました。元従業員の男性「朝はお盆だろうがGWだろうが、必ずみんな(メッセージを)いれていた。帰宅の時間もLINEにいれろっていうのが始まって。絶対的な権力者っていうのを誇示したかったのかな」   ◇被害を受けた男性によると、社長らとの間で示談が成立しているということで、警察は起訴を求める「厳重処分」ではなく、起訴を検察の判断に委ねる「相当処分」の意見をつけています。

花井組をめぐっては、暴行の様子が映った防犯カメラ映像が先月SNS上で拡散し、批判が殺到。

その後、暴力が確認されたとしてバスケットボール・Bリーグのレバンガ北海道が花井組とのサポートシップパートナー契約を解除したほか、札幌市は花井組の競争入札への参加資格を4か月間停止し、SDGs認証を取り消していました。

被害を受けた男性は「今もまだ心の傷も体の傷も癒えていない。厳しい処分を求める」とコメントしています。

関連記事: