中国格安サイト「Temu」をEUが調査へ、違法商品対策巡り-関係者

Gian Volpicelli、Samuel Stolton

  • EUのデジタルサービス法に違反していないか調査を開始する見通し
  • Temuがこれまでに提供した情報は不十分-EUの懸念和らがず

欧州連合(EU)は、中国の格安サイト「Temu」に対する調査を開始する見通しだ。オンラインでの違法商品の販売を抑制できていないとの懸念が背景にある。調査の結果次第では、多額の制裁金につながる可能性がある。

  EUの行政執行機関である欧州委員会は、中国のPDDホールディングスが運営するTemuを調査するための正式な手続きを開始すると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。Temuがオンライン上の違法行為に関する規定に違反しているかどうかを調べるという。関係者らは、協議は部外秘だとして匿名を条件に語った。

  調査については近く正式に発表される可能性があるが、欧州委が新体制移行の準備を進める中で発表が遅れる公算もあると、関係者らは述べた。

  欧州の規制当局は、オンライン取引での被害を抑制する取り組みの一環として、大手テクノロジー企業への取り締まりを強化している。EUのデジタルサービス法(DSA)では、域内の利用者数が4500万人を超えるインターネットプラットフォームに対し、誤情報や違法コンテンツの拡散を阻止するための措置を講じることを義務付けており、これには違法商品の提供も含まれる。違反が確認された場合、世界の年間売上高の最大6%相当の制裁金が科される恐れがある。

  Temuがこれまでに提供した情報は不十分で、EUの懸念を和らげるものではなかったと、関係者らは語った。

  Temuの担当者にはコメントを求めて連絡と取ったが、これまで返答はない。EUが正式な調査を開始した場合、Temuは欧州委の懸念に対処し、制裁金を回避するための措置採用について提案する権利を有する。

原題:Temu to Face EU Probe Over Handling of Illegal Product Sales (1)(抜粋)

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