“15万円超のスマートグラス”を自腹レビュー。Even G2は「目的なき未来買い」では使いこなせない

 もともと眼鏡をかけていない人が、スマート機能のためだけにメガネ型デバイスを装着し続ける。これは、想像以上にハードルが高いと思う。  視力の良い人にとっては、どれだけ便利な機能があっても、まず「なぜ顔にこれをかけ続けなければならないのか」という問題が立ちはだかる。百歩譲っておしゃれ目的の伊達メガネならまだしも、スマートグラスはそうではない。  コンタクトレンズを使っている人にとっても同じだ。せっかく眼鏡から解放されるためにコンタクトレンズを選んでいるのに、スマート機能のためにもう一度フレームを顔に乗せるのか。そこには、どうしても矛盾がある。  つまり、現実的にスマートグラスを日常的に使える最初の層はかなり限られる。  視力が弱く、もともと眼鏡を愛用している人。かつ、度入りの眼鏡として自然に使える人。さらに、15万円超を払ってでも欲しい明確な機能がある人。  この条件を満たして初めて、Even G2は“未来のガジェット”ではなく“日常の道具”になり始める。裏を返せば、そこまで目的が明確でない人にとっては、Even G2はまだ高価な実験機に近い。

 ここで、現在のスマートグラス市場を少し整理しておきたい。  いまスマートグラスと呼ばれる製品は、もはや単一のジャンルではない。  Ray-Ban Metaのように、カメラ、マイク、オープンイヤー型スピーカー、AI、ライブ翻訳などを組み合わせた“顔に装着するAIデバイス”に近いものがある。Rokid Glassesのように、カメラ、ディスプレイ、AIアシスタント、リアルタイム翻訳、文字起こし、ナビなどを前面に出すものもある。  一方で、XREALやVITUREのように、スマートフォンやPC、ゲーム機と接続し、目の前に大画面を表示する“ウェアラブルディスプレイ型”もある。これはEven G2のような日常装着型スマートグラスとは、かなり用途が違う。  さらにHallidayのように、小型ディスプレイ、リアルタイム翻訳、ナビ、通知、リング操作、処方レンズ対応を打ち出す製品も登場している。これはEven G2に近い方向性の競合と言える。  つまり、スマートグラス市場はすでに“何でもあり”の競争に入っている。  その中でEven G2が選んでいるのは、カメラで世界を撮ることでも、映画館のような大画面を顔に持ち込むことでもない。普通の眼鏡に近い外観を保ちながら、必要最小限の情報を視界に置くという方向だ。 この選択は地味に見える。しかし、日本で日常的に使われるスマートグラスを考えるなら、むしろかなり現実的だと思う。なぜなら、スマートグラスは性能競争の前に、まず“毎日かけても嫌がられない存在”にならなければならないからだ。

VAGUE
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