NY市場サマリー(21日)ドルが対ユーロで急騰、国債利回り低下 株急反発
[21日 ロイター] - <為替> ドルがユーロとスイスフランに対して急騰した。トランプ米大統領が、デンマーク自治領グリーンランド領有を巡り欧州諸国に課すとしていた関税を撤回すると表明したことで、市場に幾分の安堵(あんど)感が広がった。
ユーロは0.36%安の1.17ドル。過去2営業日で1%超上昇し、前日には一時、昨年12月30日以来の高値となる1.168ドルを付けていた。
安全資産とされるスイスフランは0.77%安の1ドル=0.7958フラン。過去2営業日では約1.5%上昇していた。
ストーンXの調査責任者、マット・ウェラー氏は「市場では安堵感からの上昇(リリーフラリー)が多少みられる」と指摘。詳細はそれほど重要ではないとの見方を示した上で、「短期的な危機は過ぎ去ったようで、これからは市場心理を動かす次の要因を待つことになる」と述べた。
円は対ドルで下落し、取引終盤で158.430円。週初の日本国債市場で大幅な売りが見られたことを背景に、「日本国債のさらなる売りは、ドル円相場を介入警戒ラインの160円に接近させると思う」との見方(INGのグローバル為替調査責任者、クリス・ターナー氏)も聞かれた。
NY外為市場:
また、21日のアジア時間に日本国債が持ち直したことも、世界の債券市場の安定に寄与した。
投資家は前日、日本国債市場の混乱や、グリーンランド取得が認められない場合に欧州に関税を課すとのトランプ氏の発言を受け、米国債を売却していた。
シカゴのWWMインベストメンツの金融プランニング・ポートフォリオ分析ディレクター、マシュー・スマート氏は「トランプ大統領のメッセージは、対立ではなく協調であり、それが重要だ。関税撤回とグリーンランドを巡るNATOとの枠組み開設は、投資家に対し、これが見出しリスクから交渉リスクへと移行していることを示している」と述べた。
午後の取引では、指標となる米10年債利回りが4ベーシスポイント(bp)低下し4.255%となった。前日は急激な売りを受け、8月下旬以来の高水準を付けていた。
米30年債利回りは4.9bp低下し4.872%。前日は9月初旬以来の高水準に上昇していた。
20年債利回りも4.8bp低下し4.829%となった。好調だった20年入札後、低下幅を広げた。
一方、2年債利回りは3.595%とわずかな低下にとどまった。
この日は、グリーンランド関連の報道を受けて利回り曲線がフラット化した。2年債と10年債の利回り格差は、前日の69.4bpから64.8bpに縮小した。
前日は最大70.9bpまで拡大していた。利回り曲線のスティープ化は、トランプ氏の関税提案を受け、インフレが加速するとの市場懸念を反映していた。
米金融・債券市場:
米国株式市場:
<金先物> グリーンランド領有を巡り米欧関係が緊迫化する中、安全資産としての金の買いが加速し、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比71.70ドル(1.50%)高の1オンス=4837.50ドルと、前日に続き中心限月清算値ベースで最高値を更新した。
市場関係者の間からは、「FOMO(Fear of missing out、取り残されることへの恐怖)」に駆られた取引の可能性を指摘する声もあった。
NY貴金属:
<米原油先物> 需給引き締まり観測を背景に上伸した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.26ドル(0.43%)高の1バレル=60.62ドルだった。4月物は0.30ドル高の60.39ドル。
カザフスタン最大のテンギス油田とコロレフ油田の原油生産が送電系統のトラブルで一時停止となる中、供給不安が広がり、朝方の相場は買われやすい地合いだった。ロイターは21日、船舶追跡データやベネズエラ国営石油会社PDVSAの文書で、米国との20億ドル規模の主要供給契約に基づいたベネズエラの石油輸出量は21日に約780万バレルに達したことが示されたと報道。このところの減産を解消する動きが遅れていることが示されたことも、需給が引き締まるとの観測を後押し、相場を下支えた。
NYMEXエネルギー:
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