蔓延するオンラインカジノ:フジテレビ社員も泥沼にはまっていく世相
芸能ニュースには全く疎く、興味もないのですが、TOKIOの国分太一氏に何か重大なコンプラ違反が発生、今回はその具体的内容が開かされないままTOKIOが速攻で解散する事態になりました。他のメンバーは何があったか知ったの上での判断でしょうから、よほどのことなのだろうと察します。芸能人とはファン層との密接な関係のみならず、社会に広く影響を及ぼす一種の準公人であり、その行動は監視されやすく、リークしやすいことを理解すべきでしょう。芸能人は人気が出るとまるで自分が王様になったような態度に変貌する人もいらっしゃるようです。何様だと思っているのか身をわきまえ、もっと賢くなってもらいたいものです。
では今週のつぶやきをお送りします。
なぜ今、株式投資なのか?
株式投資は健全で堅固な仕組みのもと、一定の収益を得られる手段として世界で極めて普及が進んだ投資です。例えば好きなお菓子があり、もっとファンになりたくて食品メーカーの株式を買えば会社によっては株主優待、配当そして年に一度の定時株主総会への出席権が与えられます。その間、その会社のファンとして気持ちで支えることができます。しかも株価が上がれば利益を得ることもできます。一方、銀行にお金を預けて利息を稼ぐのは銀行の収益に手を貸しているのと同じです。原理原則からすれば株式投資に似ているとも言えます。
ですが銀行への預金は現金が手元にあると危険でセキュリティ上よくないことが理由であり、近所にある銀行に対して愛がある人は少ないでしょう。そして銀行から頂く利息はいくら金利が上がったと言ってもコーヒー一杯分にもなりません。なのに銀行は兆円単位の利益を上げているわけで「酷くない?」という意見が出てもおかしくないのに誰も文句を言いません。つまり銀行預金は預金者にとって利益分配は不平等ながらもタダでお金を預かってもらえる一方、、株式投資は投資者に対して利益配分を通じて大いに妥当性があるとも言えるのです。
人は思った以上にお金への執着が強いものです。別に欲しいものがなくてもです。最近ふと金持ちの方々の言動を目の当たりにして「これは高額所得を自慢をしたいのではないか?」というケースに出くわしました。つまり金持ち⇒多額の消費⇒その消費を自慢(自己顕示)⇒人から「金持ち」と言われる快感(承認)であります。ただ次の段階である自己実現欲求にまで到達する人は少なく、その前に「ぽっくり、さようなら」であります。「なぜ今、株式投資なのか?」とは日本が30数年眠りこけてようやく目覚めた話でようやくマネーリテラシーも生まれてきたからでしょう。今さらですが、新NISAの効果は大いにあったと言えます。
蔓延するオンラインカジノ
有名人だけではなくフジテレビの社員が尋常な域を超えて泥沼にはまっていく事件などを見ると上記の株式投資による儲け話とは一線を画します。昨日も新宿歌舞伎町の店舗型オンライン賭博場が摘発され、逮捕者が出ていますが、一日に90名程度の顧客が出入りし、顧客名簿には5000名の名前があったそうです。この捜査のきっかけはほかの犯罪の逮捕者からの関連付け割り出しだったようです。お金を賭ける、賭けないは別にして人々の日々のストレスは誰しも相当なものになり、その発散場所探しがその背景だと考えています。
フジテレビHPより
昔は「5時から仕事」と言われるように日中のストレスを居酒屋で会社と上司をつまみにして声高に言いたい放題で「あースッキリした」でした。今では酒は飲まず、嫌な人とは交流を避けるので、おひとり様による時間の過ごし方が主流。となれば誰にも邪魔されない一人だけの世界に浸れるネット社会は絶好の逃げ場だと言えるでしょう。また推し活もその一種だと思います。ただどんなことをするにもお金がかかる、これが問題でその原資を稼ぐためにオンラインカジノにはまる人が続出するのでしょう。
ところが多くの人は勝てません。そりゃそうです。胴元がいる以上、確率論的には勝てません。ただし、この手の勝負は浮き沈みがありそのうねりの中で最も儲かった時にスパッとやめれば勝てるチャンスは出てきます。が、一度味わったおいしさにはまれば、そこから抜け出すのは至難の業、そして気がつけば千万円単位で負け込むのです。取り返したくても取り返せない、今度はそれが犯罪につながったりするわけです。オンラインカジノは麻薬と同じぐらい人生を崩壊させるので取り締まりを相当強化すべきです。青少年の健全性を保つか、荒んだ社会を放置するか、その瀬戸際にあると言えそうです。
アメリカを避けるか、アメリカを取り込むか
トランプ氏の話題は尽きないですが、大半の方は「それでもアメリカは偉大。アメリカを避けて通るわけにはいかない」と考えます。特に日本は戦後、アメリカと独特の関係を維持してきたので今更「離婚できない」わけです。この離婚とは単なる経済的つながりのみならず、安全保障や社会、政治、文化などあらゆる方面でたより過ぎたのが理由です。一方、世界一長い国境を接するカナダとは厳しい関係が続き、家庭内別居状態と言ってよいでしょう。そのカナダは「世界にもっと目を広げるべきだった」とし、政策の大幅な方針転換が見込まれます。アメリカ追随からアメリカはone of themへ、です。
「なぜアメリカか?」といえばそこは技術や情報の発信基地だと考えられているからです。3.4億人が強い個性と明日の糧を求めてうごめくそのダイナミズムが生み出すアウトプットは他国ではまねできないのです。トランプ氏は無茶苦茶だ、と異口同音に唱えます。マスク氏も酷かったな、バンス氏も成り上がりだよな、でもバイデン氏も今思えば散々さ、と言いながらも窮地から脱するためにアメリカ国民はこれでもか、というほどの情熱と実行力で乗り越える力を見せ、少なくともカナダでも日本でも全く真似できません。とすればアメリカは利用すべき国だと捉えるのが私はもっとも気楽なのではないかと思うのです。
つまり、つかず離れずの関係で都合の良いところだけ取り込めばよいのです。アメリカからは「お前の優先度は下がるからな」と言われても「しょうがないですね、でも今後もよろしく」ぐらいでよいのだと思います。むしろ日本には日本にしかできない強みがあるはずです。アメリカからそのうち「俺ともう一度仲良くしようぜ」と言われたら「お前が態度を改めたらな」と言い返すぐらいの強気になれる潜在性はあると思うのです。日本は安売りする必要はないのです。日本製鉄のUSスチールの話は美談のように伝えられています。しかし韓国の現代製鉄もアメリカに3兆円つっこんで現地化を進め、現地生産をする現代自動車にも製品を提供します。アメリカの製鉄業界が儲かる仕組みはそう簡単ではないのです。トランプ氏に乗せられず、沈着冷静な判断が求められるところです。
後記 週明けまで日本なのですが、今回の滞在の半分がアカデミア系の業務で残りが東京の事業関係でした。アカデミア系のプロジェクトはまだ申し上げられないのですが、着実に歩を進めていて今回で加速度がつくと思います。私の年頭のビジネス3大抱負の一つで今までに未経験の学術界という世界とのやり取りに毎回驚かされることばかりであります。とはいえ、ビジネスもそろそろ次の一手を考えているのですが、趣味のように街の不動産屋のべた張り情報を見ていると東京の不動産は考えられないほど高くなったと思います。コロナ前後でこれほど世の中の色が変わるとついていけなくなりそうです。焦りを感じます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年6月28日の記事より転載させていただきました。