【雷の音が聞こえた】光ってから3秒で音が鳴った。「何キロ」離れている? 数字に強い人の“すごい答え”とは

「自分も、もっと数字に強ければ…」 日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。 しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。 新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

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雷の光が見えたとき、「ゴロゴロ…」という音が聞こえるまでの秒数を数えたことはありませんか?

音が空気中を伝わる速さは、約340m/sです。つまり、1秒で340m進むわけですから、3秒ならおよそ1,000m(1km)。雷光を見てから3秒後に音が届いたとすれば、それだけ離れた場所で雷が落ちたことになるわけです。

数字に強い人は、こういった「基準となる数字」の感覚を持っていることが多いです。実は、ちょっとした知識を持っているだけで、数字に強い人に仲間入りすることができるのです。

今日はこの「雷」以外にも、数字に強い人だけが知っている「さまざまな数字の感覚」を覗き見してみましょう。

飛行機や車の速さを「くらべる」

たとえば飛行機に乗ったときの速さなんてどうでしょう。実は、ジェット旅客機の場合、時速にすると900~1,000kmほどで飛ぶことがありますが、これを秒単位に換算すると、おおよそ1秒あたり250m強で進んでいる計算になります。先ほどの雷の音に近いスピードですね。実際には高度や機種によって変わりますが、「飛行機のスピード=1秒300m近く」と頭に入れておくと、飛行機のアナウンスなどで示される「時速○○km」を“体感的な距離”に変換しやすくなります。

一方、私たちの日常に近い乗り物といえば車。高速道路の制限速度が時速100kmほどだとすると、これを1秒あたりに直すと約28m(100,000m÷3,600秒≒27.8m)進むペースになります。音や飛行機のおおよそ1/10程度のスピードになります。飛行機より遅いとは言え、日常の中では十分早いスピードであることには変わりありません。1秒で約30m進んでしまうのですから。

「基準」を知るだけで、数字に強くなれる

数字に強い人は、こうしたちいさくする“変換”を自然と活用しています。「1秒あたり何m進むのか」を頭に置くことで、スピードや距離のイメージがパッとわき、雷がどこで鳴ったか、飛行機がどれくらい速いのかを直感的に把握できるわけです。 ちいさくする変換で「だいたいこれくらい」とつかむだけでも、数字の面白さや便利さを存分に味わえます。正確な計算を求めるのではなく、「3秒で1km」「時速100km/hなら1秒で30m近く」「ジェット機は1秒300m近く」といった目安を覚えておけば、いざというとき「体感的な距離感」を自分で推測できるわけです。

こういった感覚は、別に「数字に強い」という才能があったというわけではありません。数字に強いかどうかは、案外、「基準を知っているか知らないか」だけの違いで、追いつくのは意外とカンタンなのです。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)

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