「日本の自動車が中国に負けた」は大間違い…BYDには絶対にマネできない日本だけが持っている"最強の資産"(プレジデントオンライン)

■メルセデス・ベンツCLAの場合  この安全構造は、2025年にエヌビディアがHalosを「クラウドから車両まで」のフルスタック安全システムとして整理していた流れの延長線上にある。つまり、エヌビディアが売ろうとしているものは「自動運転ソフト」だけではなく、AI end-to-endスタックを含む開発・検証・安全の全工程である、という事業設計が一貫している。  そして、この一連の設計思想が「研究デモ」ではなく、量産車の文脈で提示されたことを示す具体例が、メルセデス・ベンツCLAである。エヌビディア自身が「NVIDIA DRIVE AV Software Debuts in All-New Mercedes-Benz CLA」として、CLAにDRIVE AVソフトウェアが搭載されること、そしてそれがMB.OS(Mercedes-Benz Operating System)搭載車としての位置づけを持つことを明確に述べている。ここで強調されているのは、派手なレベル表記ではなく、量産車に載せた上で、将来の機能強化や新機能をOTAで展開しうる構造である。  メルセデス側の情報を見ても、このCLAで提供される運転支援(MB.Drive Assist Pro)は、都市部を含むポイント・トゥ・ポイントの支援機能を持ちながら、ドライバー監視を前提とする“レベル2++相当”として説明されている。これは「レベル4を名乗る」話ではなく、責任分界を保ったまま、量産の機能として成立させるという設計判断である。ここに、エヌビディアが提示した多層安全構造(推論×安全評価×従来スタック×安全OS)が接続される。 ■単なる部品供給者でも、AI企業でもない  以上を踏まえると、CES2026におけるエヌビディアの提示は、四つの要素が一体であることがわかる。第一に、Cosmosに代表される世界基盤モデルによって「検証可能な世界」を用意すること。第二に、Alpamayoによって判断を“理由付きの構造”として扱うこと。第三に、Halosを中心とした多層安全構造で、量産の責任と整合させること。第四に、それらを抽象論ではなく、CLAという量産車の文脈で提示すること。この四点が揃ったとき、エヌビディアは単なる部品供給者でも、単なるAI企業でもなく、自動運転を産業として回すための工程(開発・検証・安全・更新)を提供する企業として姿を現す。  最後に、事業構造として見たときの重要点を一つだけ押さえておきたい。エヌビディアは自動車メーカーではなく、運行事業者でもない。したがって、最終的な運行責任・製造物責任を直接引き受ける立場にはない。しかしだからこそ、責任主体が求める「検証」「説明」「更新」「安全保証」の工程を、プロダクトとして供給しうる。この工程が大規模に回れば回るほど、計算(GPU)・ソフトウェア・安全ツール・データが一体化したエヌビディアの提供価値は強くなる。CES2026で見えたのは、この構造が“モビリティ”においても実装段階へ入った、という事実である。

プレジデントオンライン
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