圧巻のセットプレー3発!! 広島、柏を下して3年ぶり2度目のルヴァン杯制覇
ルヴァンカップは1日、決勝戦を行い、サンフレッチェ広島が柏レイソルを3-1で破って3年ぶり2度目の優勝を果たした。序盤から柏にボールを握られる時間が続いたが、前半25分、MF中野就斗のロングスローをDF荒木隼人が頭で決めて先制に成功すると、同37分にはMF東俊希が鮮やかな直接FK弾。前半終了間際にはまたも中野のロングスローからFWジャーメイン良のゴールで追加点を奪い、前半のセットプレー3発で勝負を決めた。一方の柏は2013年以来12年ぶりの優勝を逃した。
J1リーグで上位争いを繰り広げる両クラブによる頂上決戦。広島は準決勝進出を果たした天皇杯との2冠、柏は2位につけるJ1リーグとの2冠の可能性を大きく残すなか、今季最初のタイトルマッチに挑んだ。国立競技場には62466人の大観衆が詰めかけた。柏は3-4-2-1の布陣。GK小島亨介が昨季新潟で出場できなかった決勝のゴールマウスを守り、3バックは左からDF三丸拡、DF古賀太陽、DF原田亘が並んだ。ウイングバックは左にMF小屋松知哉、右に東洋大所属の特別指定選手MF山之内佑成で、ダブルボランチはMF中川敦瑛とMF戸嶋祥郎。シャドーは左にMF瀬川祐輔、右にMF小泉佳穂が入り、1トップはFW垣田裕暉が務めた。
対する広島も3-4-2-1の布陣。GKは日本代表活動のため準決勝まで未出場の大迫敬介が今大会初出場となり、3バックは左からDF佐々木翔、DF荒木隼人、DF塩谷司が並んだ。ウイングバックは左にMF東俊希、右にMF中野就斗が入り、ダブルボランチはMF川辺駿とMF田中聡。シャドーは左にFW中村草太、右にFWジャーメイン良が並び、1トップは古巣対戦のFW木下康介が務めた。[両チームのスタメン&布陣]
試合は立ち上がりから両チームともに攻め合うなか、最初の決定機は前半9分。柏は右CKを短くつないで攻撃を組み立て、古賀の縦パスを瀬川が華麗なターンで収めると、ボックス内右に抜けた原田のクロスでこぼれ球を誘い、瀬川が強烈なシュートを放つ。だが、これが川辺にブロックされると、跳ね返りに反応した垣田のヘディングシュートも大迫にキャッチされ、ゴールを破ることはできなかった。 対する広島はアグレッシブなプレスで柏の侵入を防ぎ、深い位置まで前進できる場面こそあるものの、時折深い位置まで攻め込まれるという嫌な流れ。ところが前半25分、ワンチャンスから先制に成功した。右サイドからのスローインで中野がロングスローを投げ込むと、GK小島と競り合った荒木がハイタワーヘッド。これがゴールマウスに転がり込み、1-0となった。 さらに広島は前半37分、今度は縦パスを受けた中村がバイタルエリアで原田のファウルを誘い、ゴール正面約20mの位置でFKを獲得すると、これを東が左足でシュート。鮮やかに壁を越えたボールが絶妙なカーブでゴール右上隅に向かうと、GK小島に触れられながらもゴールマウスに吸い込まれ、2-0となった。 なおも広島のセットプレーは止まらない。前半アディショナルタイム2分、またも右からのスローインを中野のロングスローで攻め込むと、今度はボックス内右に流れた佐々木が高い打点からフリック。ゴール前に落ちたボールをジャーメインがボレーで蹴り込んだ。これで3-0。セットプレーからスーパーゴールを決め続けた広島が大量リードでハーフタイムを迎えた。柏は後半開始時、早くも垣田、瀬川、戸嶋を一気に下げて3枚替え。FW細谷真大、MF仲間隼斗、MF小西雄大を投入した。その後も引き続き柏がボールを握り続け、深い位置まで侵入すると、5分間で小屋松が2本の惜しいシュートを放つなど逆転への勢いを見せつけた。一方の広島も前半よりも帰陣が速く、奪いに行く守備よりブロックを固める守備で対応していた。
その後も柏のボール保持を広島が構えて防ぐ時間が続くなか、柏は後半21分、山之内に代わってDFジエゴを投入。ジエゴは左ウイングバックに入り、仲間が右ウイングバック、小屋松がシャドーに回った。対する広島は同30分、負傷した中村に代わって今大会ニューヒーロー賞の19歳MF中島洋太朗を投入した。
そうして迎えた後半36分、柏は小屋松のスルーパスに抜け出した細谷が荒木を背中で制し、左足で流し込んで1点を返す。だが、広島はそこで川辺、東、ジャーメインを下げてFW加藤陸次樹、MF新井直人、FWヴァレール・ジェルマンを投入すると、そのまま最後まで時間を使ってタイムアップ。広島が前半の3ゴールを守り切り、2度目のルヴァン杯制覇を成し遂げた。
(取材・文 竹内達也)●ルヴァン杯2025特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中