EU、対ロ制裁第18弾で合意 原油価格の上限引き下げなど

 7月18日、欧州連合(EU)は、ウクライナ戦争を巡る対ロシア制裁の第18弾で合意に達した。写真は、ベルギーのブリュッセルで開催された第5回欧州連合(EU)・南部近隣諸国閣僚会議に出席するカラスEU外交安全保障上級代表。14日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、ウクライナ戦争を巡る対ロシア制裁の第18弾で合意に達した。ロシアの石油・エネルギー産業に一段の打撃を与えるのが狙い。

複数の外交筋がロイターに明らかにしたところによると、最新の対ロ制裁パッケージは主要7カ国(G7)によるロシア産原油の購入価格上限を1バレル=47.6ドルまで引き下げる。

EUの外相に当たるカラス外交安全保障上級代表はXに「EUはこれまでで最も強力な対ロ制裁パッケージの一つを承認した」と投稿。「われわれはコストを上げ続けるため、侵略を止めることがモスクワにとって前進する唯一の道となる」と付け加えた。

ただ現在のメカニズムでは、誰が制裁実施を監視するのか不明確であるため、ロシアはこれまでのところ、石油のほとんどをこれまでの上限価格よりも高く売ることができている。トレーダーは、新たな制裁がロシアの原油取引を大きく混乱させるのかどうか疑念を抱いている。

今回合意したパッケージは、バルト海の下を通るロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム」に関連する取引や、ロシアの金融部門に対する取引の禁止も盛り込んだ。

カラス氏は、ロシアが制裁を回避して石油取引を行うために利用している「影の船団」105隻と、「制裁逃れを可能にする中国の銀行」が制裁対象だと説明した。

具体的な銀行名は挙げなかった。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナの都市や村に対する空爆を強化している中、この決定は「必要不可欠でタイムリーなもの」だと評価した。

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