ビルバオに苦戦…ラ・リーガ逆転優勝に赤信号が灯る寸前だったレアル・マドリーだが、93分のバルベルデ超絶ボレー弾で劇的勝利!
【欧州・海外サッカー ニュース】レアル・マドリーがアスレティックに1-0で勝利した。バルベルデが後半ATに劇的に決勝弾を決めている。
20日のラ・リーガ第32節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック・ビルバオ戦を1-0で制した。
ミッドウィークにチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝アーセナル戦に臨んだマドリーと、ヨーロッパリーグ準々決勝レンジャーズ戦に臨んだアスレティックの対決。……その結末は好対照だった。マドリーはベルナベウで1stレグ0-3からの逆転を果たすどころか、1-2で敗れて最愛の大会から敗退。一方のアスレティックは2-0の勝利でベスト4進出し、本拠地サン・マメスで行われる決勝まであと一歩まで迫っている。
アンチェロッティ監督の解任やクラブ首脳陣の責任追及、今夏望まれる補強などが話題となるマドリーだが、まだラ・リーガとコパ・デル・レイのタイトルが残されており、ラ・リーガでは暫定で勝ち点7差の首位バルセロナをとにかく追い続ける必要がある。
出場停止&負傷でエンバペを欠くアンチェロッティ監督は、エンドリッキの起用も噂されたが使わず。GKクルトワ、DFバルベルデ、アセンシオ、リュディガー、カマヴィンガ、MFモドリッチ、チュアメニ、セバージョス、ベリンガム(トップ下)、FWロドリゴ、ヴィニシウスをスタメンとして、昨季の基本システムだった中盤ダイヤモンドの4-4-2を使用している。
さて、前半は大きな動きがなく、ただただ時間だけが経過。マドリーはボールこそ保持するものの、バルベルデ監督率いるアスレティックの4-2-3-1の守備ブロックを崩すことができない。CL敗退の精神的影響もあるのか選手たちの動きは重く、流麗な連係はほとんど見られなかった(先発復帰のセバージョスもパス回しの中心として機能せず)。攻撃陣で唯一気を吐いたのはヴィニシウスだったが、相対するゴロサベルを圧倒的加速力のドリブルでどれだけ抜き去っても、ゴール前のチームメートたちとパスが合わず。28分にはヴィニシウス自身がドリブルでペナルティーエリア手前までボールを持ち込み、自らシュートを放ったが、これはクロスバーの上へと飛んでいる。
前半はスコアレスのまま終了。迎えた後半、マドリーは前半にはなかったライン間での選手の動きを活発にして(ベリンガムが果敢に飛び出すように)、ベルナベウを沸かせるチャンスを生み出す。まず48分、ペナルティーエリア内左のロドリゴがカーブをかけたシュートでゴールをうかがうが、これは惜しくも枠の右へ外れる。その1分後にはカマヴィンガが単独突破でエリア内にボールを持ち込むも、こちらのシュートはGKウナイ・シモンに弾かれ、さらに53分にバルベルデが放った強烈なミドルは枠の左に外れた。
アンチェロッティ監督は58分に機能していなかったセバージョスとの交代でエンドリッキを投入。ヴィニシウス&ロドリゴをワイドに開かせて、モドリッチ&チュアメニを2ボランチ、ベリンガム&エンドリッキを2トップとする攻撃的布陣シフトした。
前傾姿勢になって攻めるマドリーは61分、今度はヴィニシウスの右足アウトサイドのクロスからベリンガムがヘディングシュートを打ったが、こちらもウナイ・シモンの好守に阻まれる。その後もバルベルデ、エンドリッキと次々にシュートを放っていくが決めきれず、アスレティックの速攻にも手を焼きながら焦りを募らせていった。
アンチェロッティ監督は78分にロドリゴ、モドリッチを下げてギュレル、ブラヒムを投入。そして80分、マドリーがゴールネットを揺らした。バルベルデの送ったグラウンダーのクロスをニアサイドのパレデスとエンドリッキが競り合い、それからボールはファーへ流れていく。これを拾ったヴィニシウスがペナルティーエリア内左からシュートを放ち、ウナイ・シモンを破った。
場内アナウンスが「ゴールを決めたのは?」と問いかけ、観客が「ヴィニシウス!」と答えるやり取りが何度か繰り返されたが、ゴールは決まっていなかった。オンフィールドレビューを行ったマルティネス・ムヌエラ主審は、パレデスとエンドリッキの競り合いにおいて、オフサイドポジションに位置していたエンドリッキにクロスが渡らないようパレデスがボールに触れていたことを確認し、オフサイドのために得点を無効とした。
電光掲示板のスコアは1-0から0-0に戻り、マドリーは再び猛攻を仕掛けていく。リュディガーも前線に上がったファイヤーフォーメーションでの決死の攻撃だったが、93分にその驚異的な勝利の執念が報われた。決めたのはマドリディスモ(マドリー主義)を体現する選手の一人、バルベルデだ!
ペナルティーエリア内右でボールを受けた背番号8は、トラップ後にバウンドしたボールを、その長い右足を横に振って叩いた。すると、しっかり高度を取った威力抜群のボールが、ウナイ・シモンの両手の上を越えて枠の左に突き刺さっている。