プーチン氏はウクライナのドローン攻撃への「報復を強調」とトランプ氏 電話協議後に投稿
アメリカのドナルド・トランプ大統領は4日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話で協議したと明らかにした。ロシア空軍基地がウクライナのドローン攻撃を受けたことについて、プーチン氏が報復の必要性を強調したとした。 トランプ氏は協議終了後、「プーチン大統領は、最近の飛行場への攻撃に対応措置を取らなければならないと、非常に強く話した」と、自らのソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに投稿した。 また、電話は1時間以上にわたったと説明。ロシアとウクライナの「即時和平につながる」ものではないとした。 ロシア当局は同日夜、この内容が正確なのか明らかにしなかった。ロシアはすでに、軍事的な報復もあり得るとしている。 ロシア国営通信社RIAノーヴォスチによると、プーチン氏はトランプ氏に、ウクライナが「本質的にテロ組織と化して」おり、和平交渉を「混乱」をさせようとしていると述べたという。 両首脳はまた、「巨大な可能性を秘めた両国の協力関係の回復の見通しについて意見を交換した」という。 両首脳が話をしたのは、ロシア空軍基地をウクライナが今月1日に急襲して以降初めて。ウクライナはこの攻撃について、ひそかにドローン(無人機)をロシア国内に運び入れ、核兵器搭載可能な長距離爆撃機を狙ったとしている。 ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は、トランプ氏がこの日の電話でプーチン氏に、アメリカは攻撃について事前に知らされていなかったと伝えたとした。 ウクライナのユーリ・サク戦略産業相はBBCのラジオ番組で、「絶え間ないロシアのミサイル攻撃と無人機攻撃」に対し、アメリカが「さらなる制裁と圧力」で対応することを望んでいたと述べた。 トランプ氏は先週、プーチン氏がウクライナとの和平に関して自分をだまし続けるなら、アメリカはロシアへの対応を変えるとし、2週間という期限を設定したとみられる発言をした。 トランプ氏はこのところ、プーチン氏に批判的な発言をしている。ロシアがドローンやミサイルによる攻撃をエスカレートさせ、ウクライナの都市住民数十人を殺害した後の5月25日には、プーチン氏を「全く狂ってしまった」、「火遊びをしている」などと非難した。 ただ、この日の電話協議後のトゥルース・ソーシャルへの投稿では、期限や過去の発言については触れなかった。 ■イランについても協議 両首脳はこの日の電話で、イランについても話し合った。 トランプ氏は、「イランは核兵器を持つことはできない」という点で二人の意見は「一致している」と考えているとした。 報道によると、アメリカはイランに対し、濃縮ウランの生産をすべて停止し、アラブ諸国の共同事業体に供給を依存するよう提案したとされる。濃縮ウランは原子力発電の燃料になるが、核兵器の製造にも使用され得る。 イランの核開発問題に関する両国の協議の場で先月末に示されたとされるこの提案に、イランはまだ返答していない。 トランプ氏によると、プーチン氏は「イランとの話し合いに加わることを示唆した。この問題を早期の解決に導くことができるかもしれないとも述べた」という。 トランプ氏は投稿で、「イランはこの非常に重要な問題で、決断が遅いというのが私の意見だ」、「非常に短期間のうちに明確な答えを出す必要がある」とした。 イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、アメリカの提案を批判しており、ウラン濃縮を止めるつもりはないとしている。 プーチン氏は4日、キリスト教カトリック教会の、アメリカ生まれの教皇レオ14世とも電話で話した。 ヴァチカン(ローマ教皇庁)は両者が話をしたことを認め、ウクライナにおける戦争での和平に「特別な関心」が払われたとした。 (英語記事 Putin will seek revenge for Ukraine drone attack, warns Trump)
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