NY市場サマリー(20日)ドル下落、利回りほぼ横ばい 株小反落

<為替>

ドルがユーロに対して下落した。先週末に米・イラン間の緊張が再燃したものの、イラン戦争の停戦合意が成立するとの楽観的な見方が広がった。イラン高官は20日、ロイターに対し、同国はパキスタンでの米国との和平協議に出席することを検討していると述べた。パキスタン政府はイランの港湾に対する米国の海上封鎖を解除するよう働きかけている。これに先立ち、トランプ米大統領は19日、海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の貨物船を米軍が拿捕(だほ)したと明らかにしていた。スコ​シアバンクの為替アナリスト、エリック・セオレ氏は、市場は週末の動きに対して当初、反射的な反応を示したようだが、その後、若干の安堵感が広がり、問題解決への期待が再び高まる方向に動いている‌と述べた。主要通貨に対するドル指数は0.39%安の98.07。同指数は月初来で1.78%下落している。3月にはイラン戦争勃発を受けた安全資産としての需要から2.27%上昇していた。円は対ドルで0.1%安の158.81円。ユーロは0.16%高の1.1781ドルとなった。英ポンドは0.16%高の1.3535ドル。スターマー英首相は20日、マンデルソン駐米大使の任命を巡るスキャンダルについて外務省職員に責任があると明確に非難した。野党からはスターマー氏の辞任を求める声が上がっている。スターマー首相は昨年9月、性的虐待罪で起訴された後に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン氏との関係が明らかになったことを受け、マンデルソン氏を解任した。市場は、21日に行われる次期米連邦準備理事会(FRB)議長候補のケビン・ウォーシュ氏の指名承認公​聴会にも注目。公聴会でウォーシュ氏は、「金融政策が厳密に独立性を維持できるよう確実にすることにコミットする」と表明する見通しだ。

<債券>

薄商いの中、国債利回りがほぼ横ばいで推移した。投資家は、米国とイランの​停戦を巡る懸念が高まったことに反応せず、両国間の協議に注目した。中東情勢の先行き不透明感からエネルギー価格が急騰しており、投資家は大きなポジションを取ることに消極的だ⁠った。午後の取引で、指標10年債利回りは小幅上昇の4.25%、30年債利回りは横ばいの4.882%だった。投資家はパキスタンの仲介による米国とイランの和平交渉に注目している。パキスタンは協議の実現に向けて両国間の溝を埋めようとしている。イラン高官は、政権が米国との交渉への​参加を前向きに検討しているとし、従来から軟化する姿勢を示した。ただ、最終決定はまだ下されていないという。nL6N413104アメリベット・セキュリティーズ(ニューヨーク)の米金利戦略責任者、グレゴリー・ファラネロ氏は「イランは週末にやや姿勢を変えた。​しかし、イランにはあまり交渉材料がない。大部分は様子見の状態で、最終的にどうなるかを皆が見守っている」と述べた。2年債利回りは1.6ベーシスポイント(bp)上昇の3.716%となった。債券市場は、21日に上院銀行委員会で行われるウォーシュ次期FRB議長候補の指名承認公聴会にも注目する。共和党の有力議員がトランプ政権によるパウエル現FRB議長への刑事捜査を巡りウォーシュ氏の承認阻止を表明しており、紛糾する可能性がある。市場関係者は、中東紛争と原油高がウォーシュ氏の利下げの必要性に対する姿勢を変えたかどうかにも注目している。米金利先物市場は年内14bpの利下げを織り込んでおり、数日前の約9bpからやや​上昇した。LSEGの推計によると、イラン戦争前には先物市場は55bpの利下げを織り込んでいた。イールドカーブはやや平たん化した。2年債と10年債の利回り格差は53.3bpと、前営業日終盤の53.8bpから縮小した。

<株式>

米国株式市場は小反落。米国とイランの緊張が再燃する中、今週期限切れとなる​一時停戦が持続されるか不透明感が漂っている。イランの高官はロイターに対し、パキスタンでの米国との和平協議への参加を検討していると述べた。パキスタンが米国によるイランの港湾封鎖を解除する取り組みを進めていることが背景にある。ただ、別の関係者は、バンス‌米副大統領がまだ⁠米国内にいるとし、パキスタンに向かっているとの報道を否定した。イランは先週17日にホルムズ海峡を開放した。これを受けて、同日の市場は急伸。S&P500とナスダックは3営業日連続で最高値を更新し、過去11カ月で最大の週間上昇率を記録した。しかし、イランは週末に海峡を再び封鎖した。米WTI先物は6.87%高の1バレル=89.61ドル、北海ブレント先物は5.64%高の95.48ドルで清算。S&P500エネルギー株指数(.SPNY), opens new tabは0.21%上昇した。USバンク・ウェルス・マネジメントの投資ストラテジスト、トム・ヘインリン氏は「週末の海峡再封鎖やイラン船舶の拿捕(だほ)に関するニュースを受けて、完全な再開からは遠ざかった。ただ、少なくとも今週の協議に向けた動きがある以上、以前ほど先が見えない状況ではない」と述べた。同氏はまた、「第1・四半期の決算シーズン真っただ中でもあり、実体経済への波及があったかどうかが問題だ。これまでのところ、銀行からは消費者信用は問​題なく、消費支出も堅調なようだと聞いている」と語った。業種別で​は通信サービス(.SPLRCL), opens new tabが最大の下落率を記録した。メタ・プラ⁠ットフォームズ(META.O), opens new tabが2.56%安と、昨年10月以来最長となる9営業日連続の上昇に終止符を打った。ネットフリックス(NFLX.O), opens new tabも2.55%下落し、同セクターの重しとなった。同社株は先週、四半期決算と共同創業者リード・ヘイスティングス氏の退任を発表して以降、約12%下落している。建材卸売企業QXO(QXO.N), opens new tabは3.12%安。建材卸売・施工企業トップビルド(BLD.N), opens new tabを170億ドルで買収すると発表したことが嫌気された。トップビルドの株価は19.38%急騰した。

<金先物>

米国によるイラン​貨物船の拿捕(だほ)に対しイランが報復を示唆したことでドル高・原油高が進行し、下落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比約1%安の1オンス=4828.80ドルだった。

米イラン間の停戦​が崩壊するとの懸念から原油価格が⁠約5%急騰する一方、ドル指数は約1週間ぶりの高値を付け、米長期金利の指標である10年債利回りも上昇。金利を生まない資産である金の保有コストが高まり、金相場の重しとなった。シティ・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は、中東情勢が再び緊迫して原油価格が急騰すればドル高・金利上昇を通じて金相場の下押し圧力になり得ると指摘した。

<米原油先物>

米国時間の原油先物は、約6%上昇した。ホルムズ海峡周辺の事態悪化を受け、米国とイランの協議を巡る不確実性が再浮上した。清算値は、北海ブレント先物が5.10ドル(5.64%)高の95.48ドル。米WTI先物は5.76ド⁠ル(6.87%)上昇し、89.61ドルと​なった。先週末にイランが停戦期間中はホルムズ海峡を通過する全ての商船の航行を許可すると発表したことを受け、両先物とも、9%急落していた。米軍は19日、封​鎖を突破しようとしたイラン船籍の貨物船を拿捕(だほ)した。2週間の停戦が間もなく期限切れとなる中、敵対行為が再開されたことで、パキスタンで開催される予定の米国とイランの第2回協議の見通しに疑問が生じている。

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