米国防長官、フィリピン防衛への関与確認 南シナ海に「抑止力必要」

 ヘグセス米国防長官(右)は28日、フィリピンのマルコス大統領とマニラで会談し、両国の相互防衛協定に対する揺るぎない関与を確認した。マニラのマラカニアン宮殿で代表撮影(2025年 ロイター)

[マニラ 28日 ロイター] - ヘグセス米国防長官は28日、フィリピンのマルコス大統領、テオドロ国防相とマニラで会談し、両国の相互防衛協定に対する揺るぎない関与を確認した。中国の「侵略」といった脅威を踏まえ、南シナ海に抑止力が必要との認識も示し、フィリピンに高度な軍事力を追加配備する方針を示した。

ヘグセス氏は「抑止力は世界中に必要だが、共産主義中国からの脅威を考慮すると、この地域やフィリピンでは特に必要だ」と述べた。

また「トランプ大統領とともに、両国の相互防衛協定と経済・軍事的なパートナーシップに対する揺るぎない関与を表明する」とした。

米国は戦争を求めていないとも発言。テオドロ氏との共同会見で「トランプ大統領は平和を求めている。だが、そうした平和をもたらすために、われわれは強くなる」とし「同盟国はわれわれの支援を知ることになる。われわれの司令官は準備を整えており、適切な装備も整っている。われわれはトランプ大統領の下で軍を再建している」と述べた。

フィリピンに高度な軍事力を追加配備する方針も示し、対艦ミサイルシステム「NMESIS」や「非常に高性能な」無人水上艇が含まれる可能性があると語った。

また、台湾に近いフィリピン最北端のバタネス諸島で二国間の特殊部隊訓練作戦を実施することでも合意したと明らかにした。

「われわれのパートナーシップは今日も続いているだけでない。われわれはこのパートナシップをさらに強化しており、鉄のように堅固な同盟はこれまでになく強固なものとなっている」とした。

マルコス氏は、ヘグセス氏の訪問がフィリピンに対する米国の支持を示しているとし、南シナ海を含むインド太平洋地域の平和を維持するために両国が協力し続けるという非常に強いメッセージを送るものだと述べた。

中国国防省の呉謙報道官はヘグセス氏の訪問に先立ち、米国とフィリピンの軍事協力が他国の安全保障上の利益を損なうべきではないとけん制した。

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