「スーパー神の子」到来か 「日本は冷夏」定説崩れそう、なぜ?
米海洋大気局(NOAA)は9日、南米ペルー沖から西の海域にかけて海面水温が平年より2度以上高い、いわゆる「スーパーエルニーニョ現象」が今年10~12月に81%の確率で発生するとの予測を発表した。観測態勢が整った1950年以降で「最大級の規模になる」と見込む。世界に、日本にどんな影響が出るのだろうか。
半世紀あまりで「最大規模」
エルニーニョは、この海域の海面水温が平年より0・5度以上高い状態が続く現象だ。元々は地元の漁師がクリスマスの時期に現れる「暖流」を指していた。スペイン語で「男の子」「神の子」の意味がある。
エルニーニョが強く発達すると「スーパー」になる。
各国の観測によれば、すでに太平洋中央部の赤道域の広い範囲で、水深100メートルの海水温が平年を最大6度上回っている。暖かい水は今後東へ移動し、ペルー沖の海水温を大幅に上昇させる可能性が高い。気象庁の予測でも、秋にはほぼ確実にスーパー化する情勢だ。
春に始まると長期化も
気象庁によると、エルニーニョは49年以降19回発生した。このうちスーパーは5回。その存在が認識されるようになったのは2014年のことだ。
米ハワイ大と台湾大の研究者が、規模の大きかった3回(72~73年▽82~83年▽97~98年)を分析。大気や海洋の循環が通常と異なることを突き止め、米地球物理学連合の専門誌で「スーパーエルニーニョ」と命名した。
この分析には、花輪公雄・東北大名誉教授(海洋物理学)の研究チームも貢献した。エルニーニョが始まる時期は春か秋に大別できるなどの特徴を明らかにした花輪さんは「今回のように春に始まった場合、継続期間が1年程度と長期化する」と予測する。
温暖化が「底上げ」
エルニーニョが発生すると、地球規模で気温が上昇することが知られている。
前回スーパー化したのは23~24年。23年の世界平均気温は産業革命前より1・48度高く観測史上1位(当時)。24年は同1・55度上回り、記録を塗り替えた。
エルニーニョが終わった25年、平均気温はわずかに下がった。とはいえ、産業革命前との気温差は史上3番目に高い1・47度。地球温暖化が気温を底上げしているようだ。
欧州では温暖化が原因とみられる熱波で今年すでに1000人以上の関連死が報告されている。エルニーニョの影響が本格化すれば、事態のさらなる悪化も懸念される。
揺らぐ定説
「エルニーニョが起きると日本は冷夏になる」とされてきた。積乱…