アメリカで民家を直撃した隕石のかけら、地球よりも2000万年も古い星だった

Image: Andrew Davis Tucker

澄み切った空が広がる6月のある日、アメリカはジョージア州アトランタの上空で1トンの隕石が爆発し、燃え盛る火の玉が落下しました。その破片のひとつ、プチトマトくらいの小さな岩石が、マクドノー市の民家の屋根を突き破って飛び込んできたのだとか。

地球よりも古い隕石が飛来

そのときは誰も気づきませんでしたが、この隕石は地球が形成されるはるか前の時代から飛んできました。ジョージア大学の地質学者は、回収された23gの破片を光学顕微鏡と電子顕微鏡を用いて分析しました。その結果、この隕石は45億6000万年以上前のもので、地球よりも2000万年古いことが判明したとのこと。

Image: CBS Mornings / YouTube

ジョージア大学の地質学研究者であるScott Harris氏は、ニュースリリースで次のようにコメントしています。

この隕石は、大気圏に突入してからマクドノー市の民家に到達するまでに長い歴史をたどってきました。全容を解明するには、岩石を詳しく分析して、どの小惑星群に属するのかを特定する必要があります。

小惑星群からの長い旅

研究チームは、回収された破片を分類することで隕石の年齢を割り出しました。破片の組成から、火星と木星の間にあるいずれかの小惑星群に存在する、金属の含有量が少ない「普通コンドライト」に属することがわかりました。

ハリス氏によると、専門家は隕石が4億7000万年前に起きた、より大きな小惑星の分裂に由来すると考えているそうです。隕石が太陽の周囲を公転する際に、ときどき地球の軌道と交差することがあるといいます。

たまたま地球の近くを通った隕石が、たまたま大気圏を突破して、たまたまジョージア州の民家の屋根を突き破っちゃったということみたいですね。

研究チームによると、隕石は音速を超える宇宙速度で大気圏に突入したそうです。アメリカ航空宇宙局(NASA)のMeteoroid Environment Office states(流星環境局)は、北東から南西へ向かって移動する火球が地表に衝突するまでの軌跡に沿った地域で、多くの人が衝撃波(ソニックブーム)を報告したと述べています。

空中での爆発と衝撃の瞬間

Image: Cade Massey

直径1mの隕石は、ジョージア州ウェイクフォレストの上空約43kmで分解または爆発しました。NASAのAll Sky Fireball Networkによると、TNT(トリニトロトルエン)火薬20トンに相当するエネルギーを放出したそうです。

小石ほどの破片がマクドノー市にある民家の屋根を突き破った瞬間に、住人は同時に3つの音を聞いたんじゃないかとHarris氏は推測しています。

Harris氏は3つの音についてこう説明します。

屋根に衝突した音と小さな衝撃波の音、そして床に衝突した音で、すべてが同時に起こりました。床に衝突した際の衝撃は、一部の隕石を粉砕して文字通りちりにしてしまうほどの強さでした。

Harris氏によると、住人はリビングルームのあちこちでまだ宇宙のちりを見つけると話しているそうです。

マクドノー隕石が示す未来

プチトマトサイズの隕石は、衝突した場所の地名から、正式に「マクドノー隕石」と名付けられました。ジョージア州で回収された隕石は27例目で、落下が確認された隕石としては6例目です。

Harris氏はリリースで、「以前は数十年に一度起こる現象でしたが、ここ20年で複数回起こっています。現代の技術に加え、注意深い市民の協力によって、今後より多くの隕石を発見できるでしょう」と述べています。

マクドノー隕石は、引き続きジョージア大学で分析が進められる予定です。Harris氏は、隕石の組成や速度、動力学に関する論文を発表する計画を立てているといいます。

こうした研究は、より大規模でより危険な小惑星の衝突がもたらす潜在的な脅威を理解する手がかりになるそうです。

Harris氏は、リリースの最後に次のようなコメントを残しています。

いつになるかは誰にもわかりませんが、大規模な天体が衝突し、破滅的な状況を引き起こす日がくるかもしれません。できることなら、そのような事態を未然に防ぎたいのです。

映画『ドント・ルック・アップ』を思い出しちゃった…。

Source: University of Georgia, NASA

関連記事: