「70代の女性パイロットにお会いして…」宇宙飛行士と作家が語る、”理系女子に必要なもの”(文春オンライン)

村井 前作のキャラクターが成長して登場するのも、ファンにはたまらない仕掛けです。 伊与原 前作に登場した科学部員たちのその後が知りたいという声がとても多かったので、今回は指導者がいないので、その代わりにOBたちに活躍してもらおうと考えました。4人集まれば藤竹先生の代わりがある程度できるかもしれない、と。 村井 そんな藤竹先生に会いたいという読者も多いと思いますが、不在にした意図は? 伊与原 一番大きいのは、藤竹なしで科学部ができるか実験してみたかったということですが、もう一つ、彼の不在の理由に現実の夜間定時制が抱えている問題を背負わせることでした。夜間定時制は今、どんどん数が減らされているんです。教育行政側は、不登校を経験した生徒のために通信制高校などを拡充することで、夜間定時制の役目を終わらせようとしています。ですが、外国にルーツを持つ生徒さんや、学び直したいと思っている生徒さんたちの受け皿は夜間定時制以外にありません。そういう問題を藤竹の不在を通じて小説に描くことができました。

村井 お二人が最初に「科学って面白いな」と思った瞬間はどこだったのでしょうか。 山崎 二つぐらいあって、一つは子どものときにセミが羽化するのをずっと見ていて、きれいな透明のセミが出てきたときに「生物ってすごいな、神秘だな」と思ったことです。もう一つは、読んだ本の中に「天体望遠鏡の性能をずっと上げていくと、最後に見えるのは自分の後頭部だろう」みたいな話があって、「え、どういうこと?」って面白く思いました。 伊与原 僕は昆虫少年でも天体少年でもなかったんですが、強烈だったのはドラえもんですね。地球とか恐竜が出てくるエピソードがものすごく好きでした。藤子・F・不二雄先生はとても科学に対する愛情の深い人で、それが自分にも伝わっていたんだなと思います。 山崎 私も「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」「スター・ウォーズ」の世代だったのでアニメの影響は受けました。メカとか科学的な要素があって、後になって「あれは本当に物理なんだ」と知ったときの衝撃はありました。

文春オンライン
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