近年話題の「キャンセル界隈」…今度は“コンロキャンセル”が流行!?「コスパ・スぺパ」に優れた生活と“家賃上昇”の関係とは(ファイナンシャルフィールド)|dメニューニュース

近年は風呂キャンセル界隈など「○○界隈」という言葉を耳にする機会も増えてきましたが、「コンロキャンセル界隈」という言葉を聞いたことがあるという人はどれくらいいるでしょうか。   近年、若い世代を中心に「あえて何かを持たない・使わない」ことで、生活コストを下げたり、スペースを有効活用したりする「キャンセル系ライフスタイル」が注目を集めています。   本記事では、「コンロキャンセル界隈」について、なぜ話題になっているのか、コスパやスペパ(スペースパフォーマンス)の面、賃料推移などのデータとひもづけながら解説します。

「コンロキャンセル界隈」ってなに?

コンロキャンセル界隈とはその名の通り、コンロを置かない・使わない生活スタイルです。   キユーピーの『2024年度「えがおの食生活研究」(単身者)結果報告」によると、自宅にコンロがない・設置していない割合は2022年から2024年にかけて増加傾向です。   具体的には、男性は15.6%から19.3%、女性は9.3%から14.9%に増えています。特に20代男性は18.4%から27.7%、20代女性は14.2%から20.3%と、若い世代を中心に「コンロキャンセル界隈」は浸透していっているようです。

「コンロキャンセル界隈」が広がっている背景

「○○キャンセル」という発想の背景には、「全てを自分で賄う必要はない」「必要な機能だけを選ぶ」という引き算の暮らしの広がりがあります。   また、料理における手作りの概念の変化も要因に挙げられるかもしれません。キユーピーの同調査においても、生鮮を使った調理を使用している割合が減少しており、また「食事はなるべく手作りすべき」といった意識の薄れも見られます。   現代のライフスタイルや概念の変化も、コンロキャンセルが広がっている一因といえるでしょう。

コンロをキャンセルするメリットとは?

コンロがない生活には、コスパとスペパの面でさまざまなメリットがあります。いくつか見ていきましょう。  

1. 家賃が安くなるケースがある

コンロ付きの物件よりも、簡易キッチンまたはキッチンなしの物件は、家賃が抑えられることがあります。「調理設備なし」とされることで、賃料が数千円〜1万円ほど安い物件も見つかるかもしれません。  

2. 生活スペースが広がる

小さな1Kやワンルームでは、コンロやシンクがあることで空間が狭く感じることもあるでしょう。コンロキャンセルによってそれらの設備を省き、家具や収納スペースを拡充できます。  

3. 自炊しない前提の生活で無駄がない

特に一人暮らしでは、コンロを使った自炊で食材を使い切れずに余らせてしまうこともあります。   「平日は全て外食」「健康管理は宅食サービスで」など、食生活を完全にアウトソースすることで、食材ロスや調理器具の購入・管理などの手間もなくなるでしょう。

物件価格の高騰も影響している?

コンロキャンセル界隈のメリットでもある家賃を抑えられる点と深い関係がありそうなのが、家賃水準の上昇という現実です。   大手物件サイトのデータによると、東京都の賃貸マンションの平均家賃はここ10数年の間、基本的には上昇傾向にあります。そして、直近の3年間では平均賃料が10%以上上昇しています。   「コンロキャンセル」を選択する人の中には、「生活スタイルに合っているから」という理由だけでなく、「予算内で暮らすには、設備を妥協せざるを得なかった」という事情を抱えている人もいるのかもしれません。

まとめ

住まいの選び方や設備に対する考え方は、時代とともに変わります。「コンロキャンセル界隈」のような新しい暮らし方が注目される背景には、物価上昇や都市部の住宅事情、さらには生活スタイルそのものの多様化が影響しているといえるでしょう。   コンロがあるのがあたり前という前提が崩れつつある今、自分にとって本当に必要な暮らしとは何か、改めて考えてみる価値がありそうです。

出典

キユーピー株式会社 2024年度「えがおの食生活研究」(単身者)結果報告   執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

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