独保守連合と社民党、連立で合意
[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツの保守政党連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は9日、連立交渉で合意に達した。世界的な貿易戦争を背景に景気後退(リセッション)の危機が高まる中、欧州最大の経済大国ドイツの成長回復を目指す。
ドイツ次期首相への就任が見込まれるCDUのメルツ党首によると、新政権は28日から1週間以内に発足する見込み。
政権発足日にCDUは党大会を開催し、連立協定を決定するとしたほか、その翌週に首相選挙が実施される可能性があると述べた。
メルツ氏は連立政権のパートナーらとの記者会見中に、ホワイトハウスに英語でメッセージを送った。その中で「トランプ大統領への重要なメッセージは、ドイツが正しい軌道に回帰したということだ」とし、防衛費の増額や、経済の競争力の向上を目指すと確約した。
また、この合意はドイツ国民および欧州連合(EU)のパートナーに対する明確なメッセージであるとし、「ドイツは行動力のある強力な政府を手に入れようとしている」述べた。
連立政権は、中低所得者層への減税や法人税の引き下げ、「サプライチェーン法」の廃止などで合意した。
2月のドイツ連邦議会(下院)選挙で第2党に躍進した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が連立政権に圧力をかける中、移民問題に対してもより強硬な姿勢を示し、ドイツ国境での亡命希望者の受け入れ制限や、迅速な帰化手続きの廃止などを計画しているとした。
新政権を巡っては、トランプ米政権の一連の関税措置に対応するため、早期発足に向けた圧力がかかっていた。
この連立合意は、SPDの党員投票で承認を必要とする。承認されれば、CDUのメルツ党首が首相に選出される見通し。
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