ファナック、今期微増益を予想 米関税は価格転嫁で対応へ
7月25日 ファナックは25日、2026年3月期の連結営業利益が前期比0.4%増の1595億円となる見通しだと発表した。写真はファナックのロゴ。2024年3月、パリ近郊ビルパントで撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
[東京 25日 ロイター] - ファナック(6954.T), opens new tabは25日、2026年3月期の連結営業利益が前期比0.4%増の1595億円となる見通しだと発表した。8月1日から15%の米関税が適用されることを前提としている。同社は影響を慎重に見極めるとして、4月時点での見通し公表を見送っていた。
山口賢治社長は説明会で、関税によるコスト増は「基本的に価格転嫁をお願いしていく」とし、値上げでカバーできるとの見方を示した。
米国内でのロボット需要などへの影響については「設備投資がより活発化する可能性がある」と指摘。米国では、自動車向けのほか、人手不足を背景にした物流部門などで需要が増えてくるのではないか、との見通しを示した。
IBESがまとめたアナリスト23人の営業利益予想の平均値は1696億円で、会社予想はこれを下回った。
想定為替レートは1ドル=141.15円、1ユーロ=160.95円。第2・四半期以降では1ドル=140円、1ユーロ=160円。足元の相場水準より円高想定とした。同社は、円安に振れると収益にプラスに働く。
25年4―6月期の連結売上高は前年同期比0.6%増の1963億円、営業利益は同28.7%増の424億円となった。山口社長は「米関税の影響で設備投資先送りの顧客もいるが、需要は底堅い。4―6月期は堅調な受注・売上げだった」と述べた。
小型切削加工機がインドで増加するなどロボマシンの売上高が増加したほか、ファクトリーオートメーション(FA)もインドの需要が旺盛で増収となった。一方で、ロボットは日本のほか、欧米でも自動車向けの減少が響き減収となった。地域別では、中国やアジアが大きく伸長したものの、米州・欧州の売上高が減少した。
前四半期比で受注は2.6%減の2059億円となった。このなかで、ファクトリーオートメーションは一時的な要因もあり同8.5%増の550億円となった。ロボットは0.3%減となったが、引き続き高水準にある、とみている。
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