新発見の流星群が9月14日頃に極大、NASA研究者発表 連休は流れ星に期待しよう
新たな流星群が確認され、今週末に極大を迎えると、米航空宇宙局(NASA)の研究者が明らかにした。連休の夜は珍しい流れ星が見られるかもしれない。 【画像】変光星はくちょう座χ(カイ)星の付近に流星群の放射点がある 「はくちょう座χ(カイ)流星群」は、毎年9月中旬に出現するが、明るい流星が流れるのは5年に1度だけだという。2010年、2015年、2020年に活発な活動が観測されているため、2025年も流星数の増大が見込まれており、すでにその兆候が現れている。 はくちょう座χ流星群について今わかっていることを紹介しよう。 ■はくちょう座χ流星群とは はくちょう座χ流星群は毎年9月に出現する小規模な流星群で、はくちょう座にある変光星、はくちょう座χ星の付近に放射点がある。はくちょう座は「夏の大三角」の一角をなす星座で、北半球の9月中旬の夜空では西の方角に見える。はくちょう座χ星は太陽系から約500光年の距離にある。 米SETI(地球外知的生命体探査)研究所とNASAエイムズ研究センターの研究員であるピーター・ジェニスケンスらは、8月下旬にはくちょう座χ流星群の流星を検出した。「過去の観測データから、この流星群は徐々に活動が活発になり、9月14日頃に極大を迎えると予想される。極大を過ぎると流星数は急激に減る」とSETIは報告している。 活動が5年周期で活発化するのは、流星物質が木星との平均運動共鳴に捕らわれているためだと考えられている。 ■極大日はいつ? はくちょう座χ流星群は、2025年9月13~15日頃に極大を迎えるとみられる。1時間あたりの最大出現数は不明だ。ただし極大日には年によってズレがあり、米国流星学会(AMS)は米国時間9月16日と発表している。 したがって、この流星群を見ようと思うなら、日付を挙げた全期間にわたって観測を続けるのがいいだろう。ちょうど月の出が日々遅くなるタイミングなので、晴れていれば今月内で指折りの天体観測日和となる。 ■観測に挑む意義は大きい 活発な活動が5年に1度という「レア」さに加え、はくちょう座χ流星群は非常にゆっくり流れるため、速い流星群よりも観察が容易で、そのぶんたっぷり楽しめるといえる。 はくちょう座χ流星群が地球の大気に突入する際の速度は、秒速約15km。これに対し、有名な8月のペルセウス座流星群の突入速度は秒速59km、10月のオリオン座流星群は秒速41kmである。 ■流星群の観察方法 流星群を観察する際のコツは、数時間にわたって根気強く星空を眺めることだ。できるだけ光害の影響を受けず、月明かりもない暗い夜空が望ましい。光害マップを参考にしたり、星空保護区を訪れたりするといいだろう。 14日は下弦の月で、夜遅くまで月が顔を出さない。宵の時間帯なら、晴れてさえいれば、はくちょう座χ流星群のそれほど明るくない流星も見つけやすいはずだ。
Jamie Carter