“AIまかせ”で「100万円」が「850万円」に! 大学教授が公表したスゴい投資術
何はともあれ、この図を見ていただきたい。これは、100万円を元手にして運用した場合のチャートだ。きれいな右肩上がりで、10年間で最大約8.5倍。つまり850万円に増えたことになる。運用成績が良いのはもちろん、途中での下落率(ドローダウン)が低いことも特徴だ。誰が運用をするのかというと、AIである。正確に言えば、大阪公立大学の中川慧(けい)教授らが発表した論文をAIに読ませ、自動的に売買したものだ。 【写真を見る】「AI投資術」を公表した大学教授
ぜひ、投資手法を知りたいのだが、論文には数式がずらりと並んでおり、いくら読んでも頭に入ってこない。 そこで、当の中川教授に解説をお願いしてみた。 「ご存じのように、世界の主要な株式市場はアメリカ、東京、欧州などがあって、地球の自転と同じように取引時間が移っていきます。例えばニューヨーク証券取引所(NYSE)が閉じると数時間後に東京証券取引所(東証)の取引が始まる。その東証が閉まると、今度はロンドン証券取引所が開くという具合です。日本は地理的にアメリカ市場の影響を真っ先に受け、東証の株価はNYSEと連動しやすい。例えばニューヨーク市場が暴落すると、翌日の日経平均も下落するという話はよく聞きますよね」 はい、なんとかここまではついていけます。 「私たちの考案した投資手法は、地理的なギャップと業種の連動性を利用したものなのです。そこで、アメリカ市場に連動しやすい業種と、連動しにくい業種に分け、アメリカ市場が上がると連動しやすい業種は“買い”。連動しにくい業種は“売り”。逆にアメリカ市場が下がると連動しやすい業種は売って、連動しにくい業種は買う。これをAIに指示して、毎日売り買いを続けると、比較的安定した運用成績を出すことができる。これが論文の内容なのです」(同)
大学の先生がどうして、こんな論文を書いたのかというと、中川教授はもともと金融業界の出身。しかも、複雑な数式を用いて資産運用をする「クオンツ」という職種に就いていた。野村アセットマネジメントやニッセイアセットマネジメントなどの大手運用会社を経て、昨年、大学に籍を移したという。 ところで、素人の個人投資家が教授の書いた論文を応用して儲けることができるのだろうか。 「あまりお勧めできません。どういう仕組みで利益や損失が出るのか理解していないと、下落したときにパニックになってしまいがちだからです」(中川氏) ならば、どこかの運用会社がこの論文を使ったAIファンドを作って、売り出してくれないだろうか。 「週刊新潮」2026年4月2日号 掲載
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