市況 - 株探ニュース
具体的にはそれは何か。前回の本コラムで私は インバウンド関連株の評価が低いとして、ホテル関連株を取り上げた。現在もそして近い将来も着実に売上が伸び続ける可能性があるのがインバウンド関連である、と考えたからだ。「いやいや、そんなことはない。インバウンド客なんてすぐに来なくなる」とお考えの方はおられるにしても、ごく僅かだろう。ほとんどの方は、「うん、これからも増えるよね」となるはずだ。それが意味するのはインバウンド関連企業の収益増である。株式市場が求めるのも企業の収益成長であり、その継続性が高い企業ほど有望となる。
そこで今回は、インバウンド関連株の第二弾だ。なにしろ一部の地域ではオーバーツーリズムが問題になっているほど。そのため、「これ以上、来てほしくない」という声すら聞かれるほどなのだから、インバウンド関連株の寿命は長いと見てよい。そこで、まずは寿スピリッツ <2222> [東証P]だ。インバウンドで収益増となるのはホテルや旅館、航空会社やその周辺企業だけではない。全国各地の土産物店では菓子類がどんどん売れている。中でも人気なのが、寿スピリッツの地域限定お菓子であり、その販売は絶好調状態にある。東京駅をはじめ主要都市の中核駅などへの出店にも注力中で、成長余力を残している点も魅力だ。
オーソドックス銘柄としては、ANAホールディングス <9202> [東証P]、日本航空 <9201> [東証P]がある。ともに海外の航空会社との激しい競争が続いているが、下落した原油価格の反発力が弱いため、収益は反転基調。株価も蘇生トレンドで推移すると見てよい。
航空運輸とは直接関係はないものの、最近、子会社が不当な利益供与をしていたことが発覚し、会長と社長が辞任した日本空港ビルデング <9706> [東証P]も有望だ。4月3日に利益供与の疑いが報じられ株価は下落したものの、4月9日安値の3552円で底を打ち反発。5月9日に両トップの引責辞任を発表したのだが、株価はその後、騰勢を強めている。これは不適切な取引を主導した社長と会長が辞任したことにより、経営の改善が進む。こう見てのことだろう。市場はポジティブな変化を評価していることになる。
インバウンド客にとっての聖地ショップとなれば、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]のドン・キホーテになる。免税品売上の拡大が続いており、収益は当面伸び続けると見るのが自然だ。株価も続伸予想でよい。
最後は、FOOD & LIFE COMPANIES <3563> [東証P]を。「日本に来たらまず寿司でしょ」で「スシロー」経営のこの会社になる。まさに「シンプル・イズ・ベスト」での選択となる。
2025年5月16日 記 株探ニュース