冥王星のハートの左側「スプートニク平原」をクローズアップ【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:NASA)
こちらは、探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が撮影した冥王星の高解像度画像です。ニュー・ホライズンズに搭載されている観測装置「Ralph」の多波長可視イメージングカメラ(MVIC)で取得したデータをもとに作成された疑似カラー画像となっています。
- Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute
- NASA - PIA20007: Sputnik Planum, in Color
2015年7月14日、ニュー・ホライズンズによって史上初となる冥王星の接近観測が行われました。ニュー・ホライズンズが撮影した画像のなかでも目を引くのは、ハート形にも見える明るい色合いの領域です。冥王星を発見したクライド・トンボー氏にちなんで「トンボー領域(トンボー地域:Tombaugh Regio)」と呼ばれるこの領域のうち、比較的平坦な西側の部分は「スプートニク平原(Sputnik Planum)」と名付けられています。
冒頭の画像の大半を占める平坦な箇所がスプートニク平原です。ここは、少なくとも厚さ4kmに及ぶとされる広大な氷床で、主に窒素の氷でできており、ここには40億年ほど前に直径50~100kmほどの小天体が衝突し、薄くなった地殻の表面に氷の層が形成されたとみられています。
また、冥王星と衛星カロンは潮汐作用によって自転と公転の周期が同期した「潮汐固定(潮汐ロック)」の状態にありますが、氷床が成長するにつれて冥王星の自転軸が変化し、スプートニク平原がカロンの反対側に位置するようになったと考えられています。
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編集/sorae編集部