みんなで本に書き込みしたい (1
今回は友人の加藤(高校からの友人。本は読まない。怒りの速度が速い)と、日向さん(小学校からの友人。最近本離れ気味。極めて穏やか)に協力してもらう。
企画の流れはこうだ。
知らない人の書き込みでもうれしいんだから、友達がたくさん書き込んでくれた本だったら最高なんじゃないかと思った次第だ。 課題図書は、芥川龍之介の『魚河岸』。当初は川端康成の『雪国』か、朝井リョウの『インザ・メガチャーチ』にしようと思っていたのだが、流石に友達への負担がデカすぎるので2,000字程度の短編にした。
コピー本の形にしたまずはわたしから書き込みをする。
魚河岸 著:芥川龍之介 あらすじ
魚河岸の夜道を歩く保吉と友人たち。偶然入った洋食屋で酒を飲み交わしていると、柄の悪い客がのれんをくぐってきた。不穏な空気を感じる保吉。横柄に振る舞う客だったが、友人の1人の露柴(いいとこの生まれ)がいることに気付いた瞬間、様子が一変。露柴の機嫌を伺い始める。 嫌な男はやり込められたが、それにも関わらず保吉は陽気な気分にはなれなかった。
(青空文庫で全編無料で読めます!→芥川龍之介 魚河岸 )
さあ、読んでいこう。
書き込み自由形
去年の春の夜といえば、わたしは職場の閉店の報を聞いた時期だ。懐かしい。みんなは何してたのかな?さっそく書き込もう。
去年の春頃みんなは何してましたか?私は職場閉店の報を聞いた。ーーと云ってもまだ風の寒い、月の冴た夜の九時ごろ、
そういえば最近突然涼しくなってきた(※2026年10月末)。冬の方が好きだからこの季節ってうれしいや。
保吉は三人の友だちと、魚河岸の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露柴、洋画家の風中、蒔画師の如丹、
いいなー、こういうペンネームかっこよくて憧れる。
フリーランス三人衆 みんな名前かっこE――三人とも本名は明さないが、その道では知られた腕っ扱きである。殊に露柴は年かさでもあり、新傾向の俳人としては、夙に名を馳た男だった。
我々は皆酔っていた。もっとも風中と保吉とは下戸、如丹は名代の酒豪だったから、三人はふだんと変らなかった。
と、こんな感じでどんどん書き込みをしていく。
あぁ~しらきを描いたり 知らなかった言葉の注釈を書いたり 最近食べた美味しいものを聞くなどした書き終わったので、友人の加藤に回す。
そして加藤から帰ってきたものを、近所に住む友人の日向さんへ渡した。
Page 2
数日後、わたしと友人2人が思うがままに書き込みをした『魚河岸』が完成した。
書き込みの文字色は 緑→佐伯 青→加藤 橙→日向 です。
さあ、表紙から見ていこう。
おでんの魚河岸あげ、割と好きな人多いけどそんなにおいしい?(加藤) 綴じるの自分でやったの!?すごくイイ~(日向)
……すでに良い。
好調な滑り出しを確認し、本文を読み始める。
何の記憶もないや…(加藤) 去年の春って2025年?前回の春が2026年だからすごく前に感じるね。仕事辞めるぞー!と言った(日向)返事書いてくれた。ありがとう。
ーーと云ってもまだ風の寒い、月の冴た夜の九時ごろ、
保吉は三人の友だちと、魚河岸の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露柴、洋画家の風中、蒔画師の如丹、――三人とも本名は明さないが、その道では知られた腕っ扱きである。
ハンネ(ハンドルネーム)と言われると、途端にこの4人の交流がオフ会に思えてくる。
~中略~ 露柴は生っ粋の江戸っ児だった。曾祖父は蜀山や文晁と交遊の厚かった人である。家も河岸の丸清と云えば、あの界隈では知らぬものはない。
~中略~ だから露柴には我々にない、どこかいなせな風格があった。下町気質よりは伝法な、山の手には勿論縁の遠い、――云わば河岸の鮪の鮨と、一味相通ずる何物かがあった。………
(保吉にとって)友だちかつちょっとあこがれ的な…?(日向)
三者三様の解釈。いい……。こういうの、ブックオフで買ったちょっと難解な小説にも書いてあってほしい。
~中略~ 如丹は静かに笑い笑い、話の相槌を打っていた。
~中略~ するとそこに洋食屋が一軒、片側を照らした月明りに白い暖簾を垂らしていた。この店の噂は保吉さえも何度か聞かされた事があった。「はいろうか?」「はいっても好いいな。」――そんな事を云い合う内に、我々はもう風中を先に、狭い店の中へなだれこんでいた。
ビーフシチューとかタンシチュー食べたい。浅草行こう。(加藤)
見えてくるだろう、保吉の後に続いて暖簾をくぐる我々の姿が。
店の中には客が二人、細長い卓に向っていた。客の一人は河岸の若い衆、もう一人はどこかの職工らしかった。我々は二人ずつ向い合いに、同じ卓に割りこませて貰もらった。
~中略~ この店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない白木だった。
おまけに店を囲う物は、江戸伝来の葭簀(よしず)だった。だから洋食は食っていても、ほとんど洋食屋とは思われなかった。
Page 3
今回は友人の加藤(高校からの友人。本は読まない。怒りの速度が速い)と、日向さん(小学校からの友人。最近本離れ気味。極めて穏やか)に協力してもらう。
企画の流れはこうだ。
知らない人の書き込みでもうれしいんだから、友達がたくさん書き込んでくれた本だったら最高なんじゃないかと思った次第だ。 課題図書は、芥川龍之介の『魚河岸』。当初は川端康成の『雪国』か、朝井リョウの『インザ・メガチャーチ』にしようと思っていたのだが、流石に友達への負担がデカすぎるので2,000字程度の短編にした。
コピー本の形にしたまずはわたしから書き込みをする。
魚河岸 著:芥川龍之介 あらすじ
魚河岸の夜道を歩く保吉と友人たち。偶然入った洋食屋で酒を飲み交わしていると、柄の悪い客がのれんをくぐってきた。不穏な空気を感じる保吉。横柄に振る舞う客だったが、友人の1人の露柴(いいとこの生まれ)がいることに気付いた瞬間、様子が一変。露柴の機嫌を伺い始める。 嫌な男はやり込められたが、それにも関わらず保吉は陽気な気分にはなれなかった。
(青空文庫で全編無料で読めます!→芥川龍之介 魚河岸 )
さあ、読んでいこう。
書き込み自由形
去年の春の夜といえば、わたしは職場の閉店の報を聞いた時期だ。懐かしい。みんなは何してたのかな?さっそく書き込もう。
去年の春頃みんなは何してましたか?私は職場閉店の報を聞いた。ーーと云ってもまだ風の寒い、月の冴た夜の九時ごろ、
そういえば最近突然涼しくなってきた(※2026年10月末)。冬の方が好きだからこの季節ってうれしいや。
保吉は三人の友だちと、魚河岸の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露柴、洋画家の風中、蒔画師の如丹、
いいなー、こういうペンネームかっこよくて憧れる。
フリーランス三人衆 みんな名前かっこE――三人とも本名は明さないが、その道では知られた腕っ扱きである。殊に露柴は年かさでもあり、新傾向の俳人としては、夙に名を馳た男だった。
我々は皆酔っていた。もっとも風中と保吉とは下戸、如丹は名代の酒豪だったから、三人はふだんと変らなかった。
と、こんな感じでどんどん書き込みをしていく。
あぁ~しらきを描いたり 知らなかった言葉の注釈を書いたり 最近食べた美味しいものを聞くなどした書き終わったので、友人の加藤に回す。
そして加藤から帰ってきたものを、近所に住む友人の日向さんへ渡した。