日米関税交渉の中身明らかに トランプ氏が持論「米軍駐留費高い」

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 アメリカのトランプ大統領と赤沢亮正経済再生担当大臣の50分に及ぶ関税交渉の中身が明らかになりました。トランプ大統領は在日米軍の駐留費が高いことや、アメリカ車が売れないことへの不満を述べたといいます。会談では、2回目の協議が今月中に行われることが決まりました。

■「生産的会議」トランプ氏が赤沢大臣に敬意

 世界に先駆け、真っ先に日本との関税交渉に自ら臨んだトランプ大統領。日本時間17日夜にSNSを更新しました。

トランプ大統領 「日本の最高レベルの通商政策の責任者と会談しました。とても生産的な会談でした」

 ホワイトハウスが公開した写真では、大統領執務室の椅子に座るトランプ大統領の隣で満面の笑みを浮かべている赤沢大臣。「日本の最高レベルの通商政策の責任者」と敬意を払われましたが…。

赤沢経済再生担当大臣 「端的に言って、明らかにもう格下の格下ですので、出てきて直接話をしてくださったことは、本当に感謝しております」

 会談する様子を映した写真。12時間のフライトを終え、日本時間の17日午前5時半からの会談に臨んだ赤沢大臣。トランプ氏と向かい合う形で話し合いが行われました。

 通常は暖炉のある部屋で横並びで座ることが多いといいますが、今回の会談の形式について専門家はこう話します。

早稲田大学 中林美恵子教授 「よくあることじゃないと思うんですよ。何かちょっとカジュアルな感じがしました。急ごしらえの雰囲気を出すのには、あそこが良かったのかもしれない」

 赤沢大臣はこうも述べました。

赤沢経済再生担当大臣 「私からはですね。総理のメッセージとして日米双方の経済が強くなるような包括的な合意を可能な限り早期に実現したいとの考えを伝えました」

 自動車や鉄鋼、アルミに個別にかかる関税と現在10%の相互関税について見直しを求めました。トランプ大統領からは…。

赤沢経済再生担当大臣 「国際経済において米国が現在置かれている状況について率直な認識が示されました。米国の関税措置についても率直に述べられつつ、日本との協議が最優先であるというご発言がありました」

 トランプ大統領と50分、その後ベッセント財務長官らと75分。合わせて2時間以上に及ぶ会談後、取材に応じた赤沢大臣はひとしきり報告を終えると、緊張が解けたのでしょうか。

赤沢経済再生担当大臣 「ちょっとお茶か何か。ちょっと待ってくださいね」

 具体的な会談内容について問われると、こう答えました。

赤沢経済再生担当大臣 「この言い方をすると、ちょっと分かっちゃうところもあるのですけど、為替については出ませんでした。以上です」

「(Q.安全保障に関しては?)為替については出ませんでした。以上です」

 トランプ大統領は「米軍駐留経費が高い」「日本でアメリカ車が売れない」「日本との貿易赤字をどうにかしたい」といった話題について、持論を交えながら話したといいます。

 閣僚級会議では、日本側の主張を強く申し入れたという赤沢大臣。目の前に置かれた赤い帽子には「アメリカを再び偉大な国にする(Make America Great Again)」とありました。

 CNNによると、トランプ大統領からプレゼントされたサイン付きの帽子だということです。今後は…。

中林教授 「(アメリカが求める合意が)一つの勝利宣言と言いますか、演出がトランプ大統領には(国内外向けに)必要だろうと思いますね。日本の役割というのは、トランプ大統領に早く手柄を立てさせる役回りなのかなと、シナリオとしては」

 トップバッターの日本を各国はどう報じたのでしょうか。

フランス AFP通信(経済専門家の話として) 「日本は炭鉱のカナリアです。合意を得られればひな型となり、得られなければ各国は覚悟を決め、対立を前提に交渉を進めるでしょう」
英のフィナンシャル・タイムズ(外交関係者の話として)
イギリス フィナンシャル・タイムズ(外交関係者の話として) 「日本が各国の実験用モルモットになっています」

 日本との取引成立を急ぐトランプ大統領。2回目の協議が今月中に行われることが決まりました。

赤沢経済再生担当大臣 「米国はこの90日間で、ディールを成り立たせようというお考えを持ってるんだろうと理解をいたします」
石破茂総理大臣(68) 「もちろん日米間では依然として立場には隔たりがございます。私自身、最も適切な時期に訪米をし、トランプ大統領と直接会談するということを当然考えておるものでございます」

(「グッド!モーニング」2025年4月18日放送分より)


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