「迷った」一打が痛恨 西郷真央はエンジェル・インのパッティングに脱帽

◇米国女子◇Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards 4日目(5日)◇シャドークリークGC (ネバダ州)◇6765yd(パー72)

3番、西郷真央はこの日初めてティショットでフェアウェイを捉えた。対するエンジェル・インは右に曲げており、出だし2ホール連続で奪われた流れを引き戻すには絶好のシチュエーションと言えた。

「正直、7番か6番アイアンかで迷っていて。キャディから『7だと、このアゲンストはきついんじゃないか』と。自分でも悩みながら打ってしまったのもあった」。打った後に風が弱まるタイミングも重なり、グリーンの奥までボールが止まらなかった。「あと1yd飛んでいなかったら、(傾斜で)戻ってきてバーディチャンスだったと思う」

左足下がりのラフで、カラーの急傾斜がきつく、グリーンに乗ってからもピンまではひたすら下っていくライン。少し右を向き、なるべくキャリーを出さないように振ったが、グリーンを飛び出して花道まで転がり落ちていった。右手前のラフから奥の傾斜を使って戻し、寄せワンのパーを拾ったインにこのホールも奪われた。

6番でもフェアウェイからグリーン左の斜面に外し、絶妙なロブショットでパーセーブした相手に差を広げられた。「(3番のように)イチかバチかのプレーをしてしまったのは自分の問題。確実にパーを獲れるマネジメントをしなきゃいけなかったなって、今だったら思う。向こうに楽をさせてしまった」。自らの選択を悔やみつつ、初めて一緒にプレーした世界ランキング12位のスキルの高さにうなった。

9番(パー5)や10番など、西郷がうまく寄せた後で、プレッシャーがかかるはずのパッティングを自分より距離のあるところから沈めてくる。「読みも合っていて、ストロークがキレイでボールの回転もすごくいい。『ラッキーで入れてきたな』って全く思えなかった」。硬く仕上がったグリーンでタフな寄せを強いられる場面が多くなるシャドークリークGCで、インはこの日7番(パー5)と15番しかボギーを打っていない。3&2(2ホールを残して3ダウン)という結果以上に「迷いながら振っているショートゲームが全くなく、技術的なレベルの差を感じた。いいところは学んでいかないと」と貪欲に話す。

高校生の時以来、ほぼ初めてのマッチプレーはベスト16で幕を閉じた。「この悔しさを次の試合だったり、メジャーも始まるので、なるべく早く自分の調子を上げていけたら」。オープンウィークはまず強みであるショットの状態を戻していくことがテーマになる。その上で、課題のパッティングにフォーカスできる時間を作ってメジャー初戦「シェブロン選手権」(24日~/テキサス州ザ・クラブatカールトン・ウッズ)を迎える青写真を描いた。(ネバダ州ラスベガス/亀山泰宏)

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