ダノンやBFCMの起債に投資家殺到、フランス信任投票前も需要旺盛

Ronan Martin

  • 政局不安が高まる中、リスク資産への投資意欲が強いこと示す
  • フランスの借り手が迅速に資金調達に動いていることも浮き彫り

フランス相互信用連合銀行 (BFCM)や同国の食品大手ダノンは、新規の社債発行で旺盛な投資家需要を集めた。政府を揺るがしかねない内閣信任投票をわずか数日後に控える中でも、リスク資産への投資意欲が強いことが浮き彫りになった。

  フランスの借り手は、投資家が新規債務の購入に前向きなうちに資金を確保しようと急いでいる。ブルームバーグがまとめたデータによると、先週はフランスの発行体が企業・金融機関・公共部門を合わせた起債市場全体の17%を占め、5月初旬以来の高水準となった。

  ダノンによる5億ユーロ(約862億円)の永久ハイブリッド債には42億ユーロ超の注文が集まった。この債券は7年後に繰り上げ償還可能で、当初は約4.5%で提示されていたが、現在の利回り目安は4%を中心にプラスマイナス5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の水準になっている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  一方、BFCMの2032年6月満期グリーンシニア優先債(発行額7億5000万ユーロ)には、33億ユーロ超の需要が集まった。当初はミッドスワップに120bp上乗せの水準で提示されていたが、最終的な利回りは95bpに縮小して決定される見通しだ。

  こうした社債発行は、来週予定される信任投票を前に、フランスの借り手が迅速に資金調達に動いていることを示す。投票の行方次第では政府が不安定化し、同国の債券市場に一段の重しとなる可能性がある。フランス国債は既に、直近の取引でドイツ国債を下回るパフォーマンスとなっている。

原題:Danone, BFCM Draw Strong Bids Ahead of Crucial French Vote (1)(抜粋)

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