トランプ関税と対ベネズエラ強硬姿勢、米原油輸入の8割に打撃へ
Lucia Kassai
- ベネズエラとカナダ、メキシコからの輸入量、イラクの産出量に相当
- ベネズエラ制裁、カナダ産原油の対米輸出増加につながる可能性も
トランプ米大統領がベネズエラに対して強硬姿勢を取るとともに、カナダ産とメキシコ産の原油に対する関税賦課を計画していることで、米国が輸入する原油の約80%がリスクにさらされている。
2月28日発表の米エネルギー情報局(EIA)のデータによれば、同国の石油精製業者は2024年にカナダ、メキシコ、ベネズエラから日量約476万バレルの原油を輸入。これは石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるイラクの産出量に相当する。
トランプ大統領が米石油大手シェブロンのベネズエラ操業ライセンスを取り消し、メキシコ産とカナダ産の原油に関税を賦課すれば、これら3カ国からの輸入は減速しかねない。トランプ氏はメキシコ産原油に25%、カナダ産に10%の関税を3月4日に発動する方針を表明している。
これは、石油精製業者が原油処理量を記録的な水準に増やす中、コスト増加にもつながる恐れがある。
メキシコとベネズエラが輸出先をアジアや欧州に切り替える可能性がある一方で、カナダは原油の大部分を米国に輸出する状況から抜け出せずにいることが大半の指標で示されている。
カナダの昨年の対米原油輸出は日量410万バレルと過去最高を記録。米国が対カナダ関税を発動した後も、19年に第1次トランプ政権がベネズエラからの輸入を禁止した時と同様、カナダの市場シェアは拡大する可能性がある。
原題:Trump Squeeze to Hit 80% of US Oil Imports as Refineries Ramp Up(抜粋)
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