金星の夜側に暗く写る「アフロディーテ大陸」【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が撮影した金星の夜側の姿です。
パーカー・ソーラー・プローブは、太陽へ接近する軌道を得るために金星の重力を利用しています。3回目のフライバイとなった2020年7月11日、搭載しているカメラ「WISPR(Wide-field Imager for Parker Solar Probe)」が金星の夜側を捉えました。パーカー・ソーラー・プローブはその時、金星から約1万2400kmの距離を通過していたと報告されています。
画像には、大気中の酸素原子が夜側で再結合して酸素分子になる際に放射される大気光とみられる輝きが写っています。金星の中央の暗い部分は、周辺より摂氏30度ほど低温であるためシルエットのように浮かび上がった「アフロディーテ大陸」です。
WISPRは本来、太陽コロナや太陽風の構造を可視光で撮影するために設計された機器ですが、この画像は金星の厚い硫酸雲を透過して、地表の熱放射まで捉えていた可能性があり、運用チームを驚かせました。
※撮影日は2020年7月11日、NASAが画像を公開したのは2021年2月24日です。
ひとことコメント
金星最大の大陸「アフロディーテ大陸」の大きさが分かりますね。また、以下の動画では、金星探査機「マゼラン」のデータから作成された金星の地形を紹介していますので、こちらもどうぞ。(編集部)
編集/sorae編集部