インド首相、カナダで開催のG7サミットに不参加の見通し-関係者
- サミット参加国は「適切な時期に」発表する-カナダ首相報道官
インドのモディ首相は、カナダで開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席しない見通しだ。欠席なら6会合ぶりで、両国関係の冷え込みを象徴している。
非公開協議として匿名を条件に事情に詳しいインド政府関係者が語ったところによると、6月15日-17日開催のサミットについて、議長国カナダからモディ首相には招待状が届いていない。G7に参加していない国に対する招待は、議長国の裁量に委ねられるという。
インド外務省は現時点で電子メールでのコメント要請に応じていない。同省のランディル・ジャイスワル報道官は5月22日、記者団に対し「この件について現時点で情報がない」と述べている。
一方、カナダのカーニー首相の報道官は、サミット参加国について「適切な時期に」発表すると述べた。
G7は米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、日本の7カ国で構成されており、インドは正式な参加国ではないが、2019年以降は毎回サミットに招待されていた。
インド政府関係者によれば、仮に招待されたとしてもモディ首相が出席する可能性は低いという。これは、カーニー新政権がカナダで活動するシーク教徒分離主義グループに関するインド側の懸念にどう対応するかが不透明なためだ。
23年にカナダで起きたシーク教指導者の殺害事件にインドの工作員が関与したと当時のトルドー首相が示唆したことで両国の対立は激化。24年には外交官を追放する事態にまで至っていた。
ただ先週には、カナダのアナンド外相とインドのジャイシャンカル外相が電話会談を行うなど関係改善への期待も高まっている。
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原題:Modi Not Invited to G-7 Summit in Sign of Frayed Canada Ties(抜粋)