史上最強の選手は誰!? 歴代日本人FWの最高市場価値ランキング1〜10位。1位は約96億円!?
サッカー選手のバリューを表す指標のひとつである「市場価値」は、時代によって大きく変動する。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出した金額をもとに、日本人選手の歴代最高市場価値ランキングを順位ごとに紹介する。今回はFW編。※価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠。市場価値は1月26日現在。
10位:上田綺世
生年月日:1998年8月28日 最高市場価値:900万ユーロ(約14.4億円) 更新日:2023年12月15日(当時25歳)
現在、日本代表のワントップとして活躍を続けている上田綺世は、最高市場価値900万ユーロ(約14.4億円)を記録している。
2019年に法政大学から鹿島アントラーズに加入した上田は、2年目の2020シーズンにいきなりJ1で2桁ゴールを記録。翌シーズンも同14得点を記録し、一気にJリーグを代表するストライカーへと成長を遂げた。
2022シーズンも前半戦だけで10得点をマークした上田は、同夏にサークル・ブルッヘに加入した。加入直後からスタメンに抜擢された同選手は、決して決定機が多いとは言えないチームの中、レギュラーシーズンで18ゴールを記録し、チームのプレーオフ進出に大きく貢献した。
この1シーズンで市場価値も移籍前の150万ユーロ(約2.4億円)から600万ユーロ(約9.6億円)へと大幅に増加させている。
躍進の22/23シーズンを送ったことで着実に自身の価値を高めていた上田は、2023年夏にオランダの名門フェイエノールトに移籍。同年12月には自己最高の市場価値900万ユーロ(約14.4億円)を記録している。
しかし、同クラブではエースとして君臨するメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスの存在もあり出場機会が減少。2024年3月に800万ユーロ(約12.8億円)へ市場価値が下落すると、現在まで横ばいで推移している。
Page 2
2015年にヴァンフォーレ甲府でプロキャリアをスタートさせた伊東純也は、翌シーズンに加入した柏レイソルでその才能が開花。自慢の快速を活かしたドリブルを武器に右サイドを制圧し、2018年にはJ1で12アシストを記録した。
Jリーグで勢いに乗っていた伊東は、その年のシーズンオフにヘンクに期限付きで加入。その後、19/20シーズンに一定の活躍を見せ、完全移籍で迎えた20/21シーズンにはリーグ戦で10ゴール12アシスト、翌シーズンも同8ゴール15アシストと完全に覚醒し、2021年6月には市場価値800万ユーロ(約12.8億円)を叩き出している。
この数字を更新したのは、スタッド・ランス加入時の2022年夏のことだ。リーグ・アンへのステップアップで市場価値は850万ユーロ(約13.6億円)まで上昇した。その後、第25節トゥールーズ戦での1ゴール2アシストなど印象的な活躍をつづけたことで、2023年3月に自己最高の1000万ユーロ(約16億円)を記録した。
今シーズンで32歳を迎えるということもあり、市場価値は現在800万ユーロと緩やかに下がってきている。しかし、今季もすでに4ゴール3アシストを記録するなど、ピッチ内で衰えを感じさせることはない。
Page 3
ヴィッセル神戸所属の武藤嘉紀がランキング8位に入った。武藤の自己最高市場価値はニューカッスル在籍時の2018年に記録した1000万ユーロ(約16億円)となっている。
慶應義塾大学からFC東京に加入した武藤は、1年目の2014シーズンにJ1で33試合に出場し13得点を記録すると、同年のJリーグベストイレブンに選出された。華々しいデビューを飾った同選手は翌年のJリーグ1stステージでも10得点を挙げたが、2ndステージ開幕前にマインツに電撃移籍。順調すぎるほどのステップアップを果たした。
移籍後は怪我による長期離脱が相次いだものの、試合に出場したときは結果を残し、17/18シーズンにはリーグ戦27試合で8ゴール4アシストの成績をマークした。そして、2018年夏にプレミアリーグ屈指の古豪ニューカッスルへの移籍を掴む。この際、1070万ユーロ(約17.1億円)の移籍金が発生したことも相まって、武藤の市場価値は600万ユーロ(約9.6億円)から1000万ユーロ(約16億円)まで跳ね上がっている。
しかし、加入から約2ヶ月後のマンチェスター・ユナイテッド戦でプレミアリーグ初得点を挙げる活躍を見せた武藤だったが、ここがニューカッスル時代のピークとなった。怪我による離脱や監督交代による戦術の変化など様々な要因が重なり、出場機会は激減。2020年夏にエイバルに期限付き移籍となったときには、市場価値は550万ユーロ(約8.8億円)まで下落していた。
武藤は2021年にヴィッセル神戸へと加入し、Jリーグに戻ってきた。復帰後は安定した活躍を続け、昨季はJリーグMVPにも輝いている。
Page 4
長年日本が誇るストライカーとして活躍を続けてきた岡崎慎司が、ランキング7位に入った。同選手の最高市場価値は、「ミラクル・レスター」の年に記録した1000万ユーロ(約16億円)である。
2005年に滝川第二高校から清水エスパルスに加入した岡崎は、2008年に自身初のJ1 2桁ゴールを記録。その後も安定した活躍を続け、2010シーズン終了後にシュトゥットガルトに加入することとなった。
2シーズン目を迎えた11/12シーズンにはリーグ戦で7ゴールを記録したことで、岡崎の市場価値は500万ユーロ(約8億円)まで上昇したが、翌シーズンは同1ゴールに留まり、200万ユーロ(約3.2億円)まで下落してしまった。それでも、2013年夏に移籍したマインツで2シーズン連続リーグ2桁得点を記録し価値を高めると、2015年夏にはプレミアリーグのレスターにステップアップを果たした。
2014/15シーズンは最下位に沈む時間が長かったレスターだったが、リーグ終盤戦の快進撃で残留に成功していた。そして、岡崎が加入して迎えた2015/16シーズンは好調を維持し首位を快走。岡崎も攻守に渡る献身的なプレーで相棒のジェイミー・ヴァーディを支えるなど活躍し、シーズン中に市場価値は1000万ユーロ(約16億円)まで上昇した。その後、レスターはクラブ史上初のプレミアリーグ優勝を成し遂げ、岡崎も伝説のチームの一員となった。
18/19シーズンまでレスターでプレーした岡崎は、2019年にラ・リーガに活躍の場を移した。2022年にはシント=トロイデンに加入すると、23/24シーズンをもって現役引退を決断している。
Page 5
今季スタッド・ランスで大活躍中の中村敬斗がランキング6位に入った。同選手の最高市場価値は、2023年10月に記録した1200万ユーロ(約19.2億円)となっている。
2018年にガンバ大阪でプロデビューを果たした中村は、2019年夏に期限付きで加入したエールディビジのトゥエンテで、1年目ながらリーグ戦4ゴールを記録。同選手はその後、2021年にオーストリアのLASKに完全移籍で加入すると、2年目の22/23シーズンに同31試合で14ゴール7アシストを記録し、ブレイクを果たした。
急成長を遂げた中村は、2023年夏にスタッド・ランスに移籍する。この移籍により市場価値は1200万ユーロ(約19.2億円)まで上昇した。しかし、移籍1年目となる23/24シーズンにリーグ戦4ゴールに留まったことで、昨年6月には900万ユーロ(約14.4億円)まで下落してしまった。
しかし、今季の中村はここまで5試合連続ゴールを含む、同19試合で8ゴールと、オーストリアで見せていた得点能力が復活。市場価値も1200万ユーロに返り咲き、過去最高タイとなった。
第19節のパリ・サンジェルマン(PSG)戦では同点ゴールを挙げるなど、チームにおける中村の影響力は絶大で、この活躍を続けていけば、市場価値が1200万ユーロを越える日もそう遠くは無いだろう。
Page 6
今冬セルティックからスタッド・レンヌに移籍した古橋享梧が、ランキング5位にランクインした。同選手は2023年12月に1500万ユーロ(約24億円)を記録している。
2017年に中央大学からFC岐阜へ加入した古橋は、2018年に加入したヴィッセル神戸で3シーズン連続のJ1 2桁得点を記録。2021シーズンは前半戦だけで15得点をマークするなど爆発し、その年の夏にセルティックに加入することが決まった。
21/22シーズンはハムストリングの負傷で本領発揮とはならなかったものの、2年目の22/23シーズンは、リーグ戦31試合で23ゴールと圧巻の成績を残し、リーグ得点王とリーグMVPの個人タイトルを獲得、チームもリーグ連覇を達成した。翌シーズンの前半戦も好調が続いたことで、2023年12月に1500万ユーロ(約24億円)の市場価値を叩き出した。
現在30歳となった古橋の市場価値は1400万ユーロ(約22.4億円)となっている。そんな古橋は今冬にスタッド・レンヌに移籍し、新たなチャレンジへと足を踏み出した。フランスの名門で長年セルティックの攻撃をけん引してきた同選手がどのような活躍を見せてくれるのか、注目だ。
Page 7
ランキング4位には、モナコに所属する南野拓実がランクインした。同選手の最高市場価値は、昨年6月に記録した2000万ユーロ(約32億円)となっている。
セレッソ大阪の下部組織からトップチームに昇格した南野は、2015年冬、19歳でRBザルツブルクに加入。15/16シーズンから2シーズン連続でリーグ2桁得点を記録するなど海外でも自身の実力を発揮し続けると、19/20シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)リバプール戦で見せた1ゴール1アシストの活躍が評価され、このシーズンの冬の移籍市場でリバプールに移籍した。
こうしてレッズの一員となった南野だが、当時は前線にモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノと不動のアタッカー陣が鎮座しており、南野は控えに甘んじることに。そのため、リバプール在籍時における市場価値の最高額は加入時の1250万ユーロ(約20億円)だった。
さらなるアタッカーの加入もあり、完全にクラブ内の居場所を失った南野は、2022年夏にモナコに加入。リバプール時代の流れを引きずるかのように加入1年目も低調なパフォーマンスが続き、市場価値は一時600万ユーロ(約9.6億円)まで下落した。それでも23/24シーズンにリーグ戦で9ゴール6アシストの成績を残す活躍を見せると、市場価値が2000万ユーロ(約32億円)まで急上昇した。
今季はあまり成績が伸びず、現在は1500万ユーロ(約24億円)まで下がってしまったが、スタメンでは起用され続けており、まだまだモナコに必要とされているといえるはずだ。