3歳馬特集 | 競馬 : 日刊スポーツ
- 毎日杯を制したファンダムと北村宏騎手。後方は2着のガルダイア(撮影・宮崎幸一)
<毎日杯>◇29日=阪神◇G3◇芝1800メートル◇3歳◇出走9頭
名馬誕生の予感だ。サートゥルナーリア産駒の2番人気ファンダム(牡、辻)が、無傷3連勝で重賞初制覇を飾った。
後方から大外を伸びて、先頭でゴールを駆け抜けた。北村宏司騎手(44)は23年阪神JF(アスコリピチェーノ)以来のJRA重賞制覇。辻哲英調教師(45)と同産駒はJRA重賞初制覇となった。今後は馬の状態を見ながら、オーナーと協議される。
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1頭だけ次元が違った。上がり3ハロン32秒5の豪脚は観客の目を釘付けにした。ファンダムが無傷3連勝で重賞初制覇。北村宏騎手は安どの表情で「いい内容で勝ってくれたし、この先も頑張ってくれると思う」と振り返った。
将来につながる競馬をしながら、他馬を置き去りにした。デビュー2戦は好位から競馬をしたが、今回は後方待機。トップスタートを決めながら、鞍上は後方の内へ誘導した。「いいところでもあるけど気の前向きなところがあるので、セーブして走れるように。先生と課題を持って臨みました」と未経験の競馬を選択。抜群の手応えのまま直線で大外に導くと、追い出しを待つ余裕もあった。「冷静に走れていましたし、自信を持って直線に向きました」。スローとはいえ、上がりは次位に0秒6差。圧倒的な切れ味だった。
次なるは春の大舞台へ。まだ全く底を見せていない大物候補は歩みを進める。「(レース後に)疲れがたまりやすいタイプでもありますし、馬の体調を見てからですね」と辻師。次走は未定だが、牡馬クラシックの有力候補に名を連ねたことは間違いない。【藤本真育】
◆ファンダム ▽父 サートゥルナーリア▽母 ファナティック(ジャスタウェイ)▽牡3▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 辻哲英(美浦)▽生産者 (有)社台コーポレーション白老ファーム(北海道白老町)▽戦績 3戦3勝▽総獲得賞金 6887万2000円▽馬名の由来 熱狂的なファン。その大規模なコミュニティ。母名より連想