仮想通貨法案、米下院審議入り足踏み-「クリプトウィーク」に暗雲
- 党指導部と保守派の調整難航、FRBのCBDC発行禁止条項巡り
米下院共和党指導部は16日、トランプ大統領が後押しする仮想通貨規制法案3本の審議入りを図ったが、党内保守派との調整は難航した。
保守強硬派は、連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行を禁じる条項を、より包括的な仮想通貨市場構造法案に盛り込むよう求めており、これが対立の火種となっている。
トランプ氏は15日夜にホワイトハウスで、法案に難色を示していた保守派議員の多くを説得したとSNSに投稿。仮想通貨法案の審議入りに向けた動きは前進の兆しを見せていた。トランプ氏は「クリプトウィーク(暗号資産週間)」と称して、これら法案の下院での審議開始を後押ししてきた。
16日午後、共和党指導部が仮想通貨法案の審議入りに関する採決の締め切りを引き延ばす中、保守派議員らはジョンソン下院議長や、法案を推進する主要議員らと協議を行った。
本来5分で終わるはずだった採決は、米東部時間午後6時(日本時間17日午前7時)の時点で4時間半余りに及んだが、共和党指導部は必要な賛成票を確保できていない。
保守強硬派の一人であるバーチェット下院議員(共和党)は、一時は自分たちの要求が通ったと考えたが、実際にはそうではなかったと説明。「内容の明文化を求めたが拒まれ、皆が怒っている」と語った。
下院指導部は、仮想通貨市場の枠組みを定める法案と、FRBによるCBDC発行を禁止する法案を別々に採決する方針だった。ただ、両法案とも成立には上院の承認が必要となる。
両法案を一本化した場合、上院で民主党の支持を得られず、否決されかねないと、仮想通貨支持の立場を取る民主党議員は匿名を条件に述べた。ステーブルコイン規制法案は上院で可決済みで、週内に下院も通ればトランプ氏の署名待ちとなる。
原題:Trump ‘Crypto Week’ in Limbo Amid House Republican Impasse (2)(抜粋)