中国国有石油大手、ロシア産原油の一部購入取りやめ-米制裁発表後
- 海上で輸送されるロシア産原油の一部購入見合わせ-シノペックなど
中国の石油大手シノペック(中国石油化工)など国有企業が、海上で輸送されるロシア産原油の一部購入を取りやめた。米国がロシア石油大手ロスネフチとルクオイルを制裁対象に加えたことを受けた措置だ。原油市場を巡る混乱を示す新たな兆候となる。
事情に詳しい複数の関係者によると、シノペックなどは米国による制裁や欧州連合(EU)の措置による影響を精査し始めた。センシティブな問題だとして匿名を条件に話した。こうした企業は、ロシア極東産のESPO原油を中心に一部のスポット購入を見合わせたと、関係者は述べた。
ロシアの石油大手2社を対象とした米国の制裁発表を受け、世界の原油市場は今週、大きく揺れている。今回の措置はウクライナでの戦争終結に向けてロシアに圧力をかける狙いがある。
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シノペックと振華石油、中国中化集団にコメントを求めたが、現時点で返答はなかった。中国外務省報道官は23日、米国の動きに反発し、「中国は国際法の根拠を欠く一方的な制裁に一貫して反対する」と述べた。
トランプ大統領は、韓国で来週行われる習近平国家主席との会談で、中国によるロシア産原油購入問題を取り上げる考えだ。ロシアはパイプラインを通じて陸上でも中国に原油を供給している。
オックスフォード・エネルギー研究所の中国エネルギー研究プログラム担当ディレクター、ミハル・メイダン氏は「中国向けのフローは減少するだろう」としながらも、パイプライン経由の供給は今後も続く見込みだと述べた。パイプラインに絡む支払いは欧米の銀行を経由しないとされる融資スキームに基づくためだ。
原題:Chinese State Buyers Step Back From Russian Oil on Sanctions (3)(抜粋)
— 取材協力 Alfred Cang and Sarah Chen