「男性に収入を伝えたら、一気に引かれて」「既婚者もいました」マッチングアプリで約30人と出会い…たかまつなな(32)が体験した“令和婚活”のリアル(文春オンライン)
――パートナーとはマッチングアプリで出会われたとのことですが、婚活はアプリ一択だったんですか? たかまつななさん(以下、たかまつ) 高校まで女子高だったので男性に対する免疫がなかったんですよね。大学・大学院時代はお笑い芸人として活動しつつ、勉強も忙しかったので、恋愛について真剣に考える機会もあまりなくて。もともと、結婚して子どもが欲しいと思っていましたが、いつかあるだろうと運任せにしていた気がしました。 なので、26歳でコロナ禍で仕事が相次いでキャンセルになり、孤独を感じ、仕事以外にも大切なことがあると初めて実感をともなって感じました。将来を考えて、「結婚して子どもが欲しいな」と思った時に、すぐ行動に移せるのがマッチングアプリだった。 ――人からの紹介などは? たかまつ もちろん、会う人会う人に「婚活中です」とアピールし、実際紹介していただいたこともありました。皆さんいい人だったけど、なかなかうまくいかなくて……。結婚相談所にも登録しましたが、あまり合わなかったのですぐに辞めました。 それに、人に紹介してもらうと、気を遣ってしまう部分もありました。やはりアプリの方が気楽でいいなって。一時、5か所ぐらいに登録していました。
――自分のプロフィールを正直に書くんですか。 たかまつ 嘘を書く人もいるけど、私は正直に書きましたね。そして条件には、政治が語れる人、甘えさせてくれる人、話し合いが出来る人の3つを挙げました。 ――「たかまつなな」と本名で? たかまつ はい。実際に会ったのは6年間で30人ぐらいですけど、最初に必ず言われたのが「ネタかと思った」って。 電話で話して「いい感じだな」と思っても、初対面の時はやはり警戒してしまいますね。「週刊誌の記者だったらどうしよう」とか。実際いましたし。その方は、本気で婚活していたようだったので、変な記事を書く意図はなかったと思いますが、「メッセージのやり取りを拡散されたら……」と不安になったこともあります。 ――ほかにはどんな人がいましたか。
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たかまつ ほんとうにいろんな方がいましたね。80代の方から「いいね」が来たこともありました(笑)。「政治のことめっちゃ話せます。かつて大学教授をやっていました」とか。いくら政治のことを語ることができても、結婚を考えると80代じゃちょっと……。 また、政治に詳しいという方がいて、私がウクライナに取材に行ったことを話すと、「ロシアの言い分も聞くべきだ。日本の報道は偏向している!」と突然怒り出したことも。びっくりしましたね。
――登録者はたかまつさんのように正直にプロフィールを書いていますか。 たかまつ う〜ん、私の体験談から言うと2割は嘘が盛り込まれていると思った方がいいですね。プロフィールは自分を良く見せようと上げ底している人が少なからずいるなと思います。実際、既婚者もいましたし、タバコを吸わないと書いてあったのに、会ってみたらパカパカ吸い出したり。 ――職業は? たかまつ 官僚とか国際弁護士、起業家の人も……。少し面白かったのが、いわゆる「ハイスぺ」のような人のほうが、倹約家な印象だったこと。お金を稼ぐ大変さを知っていたり、株をやっていたりすると利益を出すのが大変だと知っているからなんでしょうか。これは私がやりとりした方がたまたまそうだったのかもしれませんが。 ――ヒデさんに会う前に、交際に発展した人はいなかったんですか? たかまつ (婚活を)26歳の時から始めたので、1人お付き合いした方はいました。 その方と別れた後にアプリを再開して、いいなと思う人も。すごく優しい方で好印象だったんですが、ある時、「最近のニュースで気になったことがありますか」と聞いたら「生活保護受給者がウナギを食べていた。ぜいたくですよね」って。そして「僕なんか土用の丑の日でも食べませんよ」と。 「気になるニュースがそれなんだ……」と思って、一気に冷めてしまいました。おそらく相当年収がある方で、「毎日でも食べられるじゃん!」とも思いつつ。本当に素敵な方だったのですが、ちょっとでもひっかかるところがあるとずっと気になってしまって。