米ロ首脳が電話会談、ウクライナによるドローン攻撃など協議
[ワシントン/モスクワ 4日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は4日、トランプ米大統領と電話会談を行い、ウクライナによるロシア空軍基地への大規模なドローン(無人機)攻撃のほか、ロシア西部2州への攻撃に対しロシアは対応せざるを得ないと伝えた。
トランプ氏によると、ウクライナによるロシアの駐機中の航空機への攻撃や、両国が行っているその他のさまざまな攻撃について話し合った。「プーチン大統領は、最近の飛行場への攻撃には対応しなければならないと非常に強く述べた」という。
トランプ氏は「良い会話だったが、即座に平和につながる会話ではなかった」とした。電話会談は1時間15分に及んだという。
両首脳はイランを巡る問題についても協議。プーチン大統領はイランとの新たな核合意締結に向けた協議に参加する意向を示唆したという。トランプ氏は「私はプーチン大統領に対し、イランは核兵器を保有できないと述べた。この点では合意したと信じている」と明らかにした。その上で、イランが協議に関する決定を「遅らせている」と非難した。
ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)はプーチン氏が会談で、ロシアとウクライナが開いた2回目の直接交渉について、ウクライナ側が「テロ」攻撃によって妨害しようとしたものの、有益だったと伝えた。
ウシャコフ氏は首脳会談後、記者団に対し、ウクライナによる橋など民間インフラへの攻撃は交渉を妨害しようとする試みだと指摘。「ウクライナが民間の標的、平和的な市民を意図的に攻撃することで協議を妨害しようとした」とし、「ロシアは挑発に屈しなかった。(プーチン)大統領は(直接)協議の内容を詳細に説明し、協議は全体として有益だった」と述べた。
また、和平計画をまとめた覚書を交換したとし、今後分析が行われるとした上で、「その後、双方が協議を継続できることを期待する」と述べた。
プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談の可能性については現段階で取り上げられていないと述べた。
ウシャコフ氏は、トランプ大統領がウクライナ情勢に関するプーチン大統領の説明を「熱心に聞いていた」とし、「トランプ大統領にとって、起きていることに関するわれわれの評価を聞くことは非常に有益だったと思う」と語った。両首脳は意見交換が「前向きで非常に生産的」だったと述べ、連絡を取り続ける用意があることを確認したという。
ウシャコフ氏はイランについて、米国はロシアがイランの核開発計画を巡る問題解決に重要な役割を果たすことができると考えていると述べた。両首脳は中東情勢やインド・パキスタンの緊張についても協議したという。
プーチン氏の発言が伝わる前、ロシア当局者はウクライナによる国内の奥深くへの攻撃に西側諸国が関与していると非難した上で、対応として「軍事的選択肢が検討されている」と表明。インタファクス通信によると、リャプコフ外務次官(対米関係・軍備管理担当)は「英国と米国に対し、一段のエスカレーションを回避するよう求める」と述べた。
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