「高齢者のスマホ」なぜ不具合が起こる?「スマホがないと生活できない」を標準にしないで(まいどなニュース)
ある日、母親から「スマホがダメになった」と言われた赤ネコさん。そこまで使えないスマホじゃないのに――と訝しみながらも、母親のスマホの画面を見て驚愕します。 「何か操作する度にしつこく広告が出てきて操作を邪魔されて、何もロクにできない」(赤ネコさんのポストより引用) 画面上に頻繁に広告が出たり、不要なアプリに邪魔されたりして、ろくに操作が進められなくなっていたといいます。 状況を察知した赤ネコさんは、苦心の末に余計なアプリを削除し、スマホを綺麗な状態に戻してあげました。しかし、「これ再発を防止するの無理なんだよな…」と頭を抱えます。なぜなら、赤ネコさんのお母さん本人が、知らぬうちに有害なアプリを自分で入れてしまうからでした。
どうして高齢者の方に、そのような問題が起こりがちなのでしょうか。 【操作が煩雑】 スマホはさまざまな機能を備える便利な端末です。 しかしその分、設定や操作方法が多岐にわたり、使いこなすのが難しいという側面も。時には、専用のアプリをインストールしたり、アカウントの作成や個人情報の登録を行ったり――といった作業が必要になることもあります。 このような操作の複雑さが、特に高齢者の方々には、わかりづらさの原因の一つになっていると考えられます。 【最新のデジタル機器になじめない】 近年の技術革新はすさまじく、スマホも時代の最先端を担うアイテムとして、続々と新たな機能やスペックを有した機種が登場しています。しかし、そのような早すぎる時代の変遷に、電子機器にあまりなじみのなかった時代を過ごした人々の多くはついていけません。 実際、筆者は飲み屋などで、会計時にスマホ決済ができなくなっているお客をたまに見かけます。高齢者とまではいかない50~60代の方に多いイメージです。 このくらいの世代の方のなかには、現在日常的にスマホを使っている人も多いでしょう。ですが、そのような方々でも、酔っていたりすると、操作感覚を失ってしまうことがあるのかもしれません。現に、そのような状況に陥っている方を見ていると、チャージや支払いなどの手順が抜けてしまったり、画面が表示できなくなって混乱している印象があります。 より上の世代の方になると、その傾向は顕著になるのかもしれません。 【相談できる相手が身近にいない】 赤ネコさんによると、今までは母親が困った時は、自分がスマホを操作して、不具合を解消してあげていました。ところが、今回は母親が入院しており、赤ネコさんは常に相談に乗ってあげられる環境ではなかったといいます。 このように、高齢者の方の身近に、家族や知人など、相談できる相手がいない場合、適切な操作方法が分からなくなって、このような不具合を起こしてしまうこともあります。
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そんな高齢者の方のスマホ問題。赤ネコさんのXのリプ欄には、共感のコメントが多数寄せられていました。 「全く同じことを経験しました。母の携帯が通知がひっきりなしで発覚。(中略)100近くのアプリを消し、いかに恐ろしいかを解きましたが2日後にまた通知地獄」 「うちの祖母も同じです。携帯見たらクリーナーアプリばっかり入ってて広告消えなくて大変でした」 「ガラケーも使いこなせてなかった祖父母が、『友達がみんなスマホにしたから』ってスマホに変えて案の定使い方覚えられなくて地獄です」 「某ショップで働いていた頃に同じような状況になったおばあちゃんが困り果てて来店されたのを思い出しました」 ◇ ◇ 近年では、ネットやスマホがないと受けられないようなサービスも増えてきました。しかし、高齢者など一部の方にとって、スマホを使いこなすのは非常にハードルが高いものです。 「行政とかは、年配の人にスマホ使わないとできないサービスを標準にしちゃダメ」と、赤ネコさんはXを通じて持論を展開しています。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))
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